鋼の錬金術師
地下
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後
異動してから仕事はめっきり減った。前もそんなになかったがこうもなると暇でしょうがない。なので中央の地下を探索しているの。グリードの記憶から大体は覚えてるから迷子になる事はない。
「……ん?」
誰もいない筈の地下に子供が歩いている。迷子……ではないでしょうね。そんな奴いたらすぐに合成獣に食い殺されてるわ。
「傲慢か怠惰か?」
“お父様”と愉快な仲間達は七つの大罪を模して造られている。色欲は死亡、強欲は私、嫉妬と暴食と憤怒は認識がある。となると残りは傲慢と怠惰しかいない。
「おや?あなたは……」
子供が此方に気付く。小学生ぐらいの体躯に高そうな服を身に纏っている。それにどこかで見た事あるような顔だ。
「そうですか。あなたが今のグリードですね」
「ああ……」
「私はプライドです」
プライド……傲慢か。随分と名と外見が合ってない気がするわ。
「怠惰はどこにいるの?」
「まだ仕事をしてますよ。名に冠して所々でサボってるみたいですが」
仕事か……国土錬成陣の為の仕事なんだろうが居場所を捕捉する事は出来ないでしょうね。
「お父様は?」
「就寝中の様です」
「へぇ……(“お父様”も寝る事が出来るのね)」
どうでもいい事を考えながら私は探索を続けた。しかし……あの子はどこかで見た事がある気がするのよね。公人の息子なのかしら?
〜〜〜〜〜〜
暇が出来る度に地下の探索を続けている。“お父様”はこの行動を警邏と見ているらしく、特に咎められたりはしなかった。
「合成獣も襲って来ないからいいけど、もっと楽しい暇潰しはないかしらね……」
これは暇潰しの為に続けているからであって、何日もやれば飽きてくるのは当然。
「……!」
……一瞬だけいつもとは違う気配を感じたわ。合成獣に似てるけど人間に近い気配……一体何なのかしら?
「探してみようかしら」
侵入者排除も軍の僕の仕事ってね。あー嫌になるわ。
〜〜〜〜〜〜
探し始めて五分後、違和感の正体を見つけた。人間みたいな二足歩行に蜥蜴みたいな尻尾、間違いなく合成獣ね。接触してみようかしら。
[8]前話 前書き [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ