第十五話 悪い予想は良く当たる
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
帝国暦 487年 1月 3日 ティアマト星域 旗艦ブリュンヒルト エーリッヒ・ヴァレンシュタイン
帝国歴四百八十七年は戦争で始まることが決まった。同盟軍は帝国軍から一日ほど離れた距離の宙域に居る。たまには同盟軍と戦争抜きで新年のパーティとかどんちゃん騒ぎを出来ないものかね。そうすれば少しは相互理解が進むと思うんだが。
しかし現実には旗艦ブリュンヒルトの会議室で同盟軍をいかにしてぶん殴るかの相談をしているというわけだ。参加者は各艦隊の将官以上、そしてグリンメルスハウゼン艦隊の司令部要員、さらに何で居るのか分からないが居るのが当然と言った表情で座っている門閥貴族の馬鹿共が八人。
ちなみに会議室の人員構成比はグリンメルスハウゼン艦隊の司令部要員が圧倒的に多い。グリューネマン大佐、ヴァーゲンザイル大佐、アルトリンゲン大佐、カルナップ中佐……。他にも二十名ぐらい居る。皆原作じゃ一個艦隊を率いるか分艦隊司令官、参謀長とかを務めた人間なんだけどこの世界じゃ未だペーペーなんだ。バイエルラインが中佐とか勘弁してほしいよ。早く出世させないと……。
グリンメルスハウゼン艦隊にも影響が出ている。少将の分艦隊司令官が居ないのだ。クレメンツ副司令官が中将、他はシュタインメッツ、クナップシュタイン、グリルパルツァー、ブラウヒッチ、グローテヴォール。いずれも准将の階級だ。それぞれ千隻を率いている。
「敵の降伏を認めず、完全に撃滅し、もって皇帝陛下の栄誉を知らしむる事が我らの使命である。左様心得られよ」
グリンメルスハウゼンが声を張り上げたがあんまり威勢は良くない。何て言ってもハアハア息を切らしているんだから。この次は俺の番か。
「総参謀長」
「はっ、反乱軍は我々より一日ほど離れた宙域に居ます。彼らの兵力は我々とほぼ同数、約四万五千隻です。我々はこのまま此処に留まり反乱軍を待ち受ける事とします」
俺が説明すると一部の人間を除いて頷いた。もちろん一部の人間とは軍事知識の無い素人達だ。不満そうな表情をしている。何処にでもいるよな、敵に攻めかからないのは臆病だとか言う奴。遊びじゃないんだぞ。
「続けて各艦隊の配置を説明します。中央にヴァルテンベルク提督、左翼にクライスト提督、元帥閣下の直率部隊は右翼に配置します」
会議室にざわめきが起きた。まあそうだよな、普通ならグリンメルスハウゼンの艦隊が中央に来るんだから。
ざわめきはグリンメルスハウゼン艦隊の司令部要員からも出ていたが俺が睨みつけると押し黙った。そうだ、黙ってろ。
「ヴァルテンベルク提督」
「はっ」
「元帥閣下は卿の才覚に期待しておられる。宜しいかな?」
「はっ、必ずや御期待に応えまする」
嬉しそうにしているのはヴァルテンベルク艦隊に同行しているヒルデスハイ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ