暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
劫火の巫女
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た。
そして、ウィルは真っ白な炎の中に身を任せた。
真っ白な劫火でできた爆炎の豪雨が空中に溶け去るように消えた後に残っていたのは、
影妖精
(
スプリガン
)
のシンボルカラーであるダークグレーの
命の残り火
(
リメインライト
)
たった一つだけだった。
先刻までの戦闘の余韻が醒めてしまうほどにちっぽけなそれをカグラはちらりと一瞥し、完全にこの戦闘に勝利したことを確信した。
白くなるほどに握り締めていた手をゆっくりと解きほぐす。
《冬桜》の刀身の色が、みるみる白からもとの鋼色に戻ってくる。
それを静かに鞘に収めながら、カグラは誰ともなく呟くように言った。
否、その言葉は今地上で一人で二人の強敵と相対する己が剣を捧げた主に向けられた物かもしれない。
「こちらは済みました。後は………あなた次第です」
そう言ってカグラは、短く、身体を震わせるように背に輝く翅を振動させた。
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