第三十九話 続く闘争
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うするのだね?」
「月のダイダロス基地だ!あそこには切札と造らせておいた新型機があるはずだ!」
「新型機というとあの緑の大型機の事か?ザムザザーやゲルズゲーと何が違うのやら?」
「フン、あれとは圧倒的に機動力が違うぞ!あのクローの威力も桁違いだ!その発展機もビームを素で防ぎきる程の防御性だ!」
「やれやれ、デストロイとやらの二の舞とならんことを祈るばかりだ」
生き残ったロゴスの二人、ジブリールとアズラエルは今後の行先について検討しあっていた。ジブリールが断言するように最終的な目的地はダイダロス基地である事には変わりないだろう。だが、問題はその過程をどうするかだ。
「宇宙に上がるにはどの場所が良いか……」
反ロゴスの風潮が進んでいる以上、地上にヘブンズベース以上の防衛が整った所はロゴスにはない。宇宙に上がろうにも中途半端な施設では上がる前に撃ち落とされるか取り押さえられてしまうだろう。東アジア共和国のマスドライバー施設のあるカシュオン、連合最高司令部のグリーンランド、防御の固いスエズ、マスドライバーもあり逃亡先としては最も堅実であろうパナマ、同じくマスドライバーのあるビクトリア――――――
しかし、そのどれもが逃亡先として検討するには決定打が欠ける。消去法でいくなら堅実なのはスエズだが、ザフトも当然それは予期していることだろう。監視の目は厳しいはずだ。こういう時にこそ、情報部のデータが欲しいのだが、脱出した潜水艦ではまともな通信を取ることは出来ず、判断を自らで行わなければならない。
「オーブだ……」
「は?」
「現段階での移動先はオーブにすべきだ。何、あそこの今の国家元首代理は私にとって純情な飼い犬でしかない。あそこならばそれなりに時間も稼げるはずだ」
理に適ってる、とまでは言わないが、確かに検討の余地は十分あるだろう。下手な基地に逃げ込むよりは途中で見つかる可能性も低いはずだ。
「とはいってもここからオーブまでは遠いぞ」
「だからこそだよ―――まさかこんな所に、といった相手の心理を逆手に取る。なに、アメリカ経由で行けば問題はあるまい?」
「しかしそれならば道中にパナマとてあるぞ」
彼らはその後も意見を出し、検討を続ける。決して彼らの仲に友情や信頼関係というものは生まれないが、生き延びるために利用できる相手として互いに信用はしている。今は一蓮托生の身である以上、互いに真剣に意見を出し合うのだった。
結果、しばらく行き先が決まらず、ヘブンズベースから脱出できたは良いものの移動先を決めあぐねてとりあえず補給の為に潜水したまま一度別の港まで行くことになった。ついでに言ってしまえば未だに目的地は決められていないというのは完全に余談と言えよう。
◇
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