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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第141話】

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時は遡ること数十分前、有坂ヒルト、織斑一夏、篠ノ之箒が作戦を開始して数分後の事だった。

場所は花月荘隣の駐車場のトラックのコンテナ内――。


「……あの子達、今頃戦ってる頃かしら」


――と、目の前の二メートル半程ある物体に語りかけるのは有坂真理亜――。


『そうだな。――念のため、俺はいつでも援護に行ける様に準備するさ、ワッハッハッ』


そんな物体の中から声が聞こえてくる。

――有坂陽人だ。

それも、ISが使うオープン・チャネルによる通信――だが、このコンテナには特殊な細工がしてあり、その通信が外に漏れる事はなかった。

コンテナ内部にある整備室、補助アームを起動する音がけたたましく鳴り響き――ガコンッ――と、その物体に何かを取り付ける音がコンテナ内部に響いた。


「……あなた、背部に【フライヤーユニット】の装着、完了したわよぉ」

『そうか――そういや【コイツ】で空を飛ぶのは初めてだったな――まあ、シュミレーションは何度もやってるがな』

「うふふ、そうですわねぇ。――本当なら、使わずに済むのが一番何ですけど…」



そう呟き、自身が設計し、あらゆる人脈を駆使して材料を揃え、制作されたそれを見上げる有坂真理亜。


「……やっぱり、【これ】を発表したら世界はまた混乱するわよねぇ…」


呟き、溜め息をつく有坂真理亜に、有坂陽人は――。


『……そうだな。――発表すれば、またパワーバランスは崩れるだろうな。【こいつ】も、この胸の【これ】も』


そう言い、物体はその【何か】がある装甲部分に触れるとそこが開き――淡い緑色を放つ【エネルギー体】が、現れる。



淡く光を放つそれは、穏やかに安定している様に見えた――。


「……あなた、まだそれは不完全ですから…」

『……そうだったな、真理亜。すまん』

「うふふ、許します♪」


そんな少女のような笑みを浮かべる有坂真理亜。

有坂陽人は抱き締めたい気持ちに駆られたが、自身が纏っている【それ】で抱き締めると、有坂真理亜の身体を傷つける結果になるため、じっと堪える。

その【エネルギー体】を内部に仕舞うと共に、赤い【ツインアイ】が光った――。
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