崑崙の章
第18話 「むにゃむにゃ……もう食べられないのだ……」
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……ほ、本日付で執務室の雑用を仰せつかりました、姓は簡、名は雍、字は憲和と申します! い、以後、よりょしゅくお願いしましゅ!」
あ、かんだ……
「あ、ああああ……す、すいません! ど、どうも緊張するとかんじゃって……」
「あ、い、いえ……あのあの、わた、私こそ、ごめんなさい……その、丁寧な挨拶、痛み入りましゅ……」
あう……私もかんじゃった。
「え、ええと……よ、よろしくお願いします!」
「こ、こちらこそよろしく、です。あぅ……」
お互いが頭を下げてぺこぺこと……
あぅ……
「……こほん。鳳統様。この坊主は、雑用係です。以前からおっしゃっていた竹簡整理と、仕分け専門の係がほしいとおっしゃっておられたでしょう」
文官さんの紹介で、やっと思い出しました。
そうでした……私も朱里ちゃんも、整理を担当してくれる人を頼んでいたのでした。
「あ……頼んでいた人ですね。そうですか、よろしくお願いしますね」
「は、はいっ!」
慌てた様子の少年が、また頭を下げます。
よく見ると、そんなに歳も変わらない子でしょうか?
背丈は、私や朱里ちゃんよりちょっとあるかどうかです。
「じゃあ、すみませんけど……文官さんに仕事を教わってください。間違いだけはないようにお願いします」
「わ、わかりました!」
「では、私がお教えしておきましょう……簡雍と言ったね、こちらに来なさい」
「は、はい!」
緊張した面持ちで、簡雍と呼ばれた少年が文官さんに仕事を教わっています。
突然でびっくりしちゃったけど……真面目そうだし、仕事も早そう。
これで少しは、整理が楽になるかな……?
「失礼します。鳳統様、例の開墾の件の竹簡ですが……」
「あ! ひゃ、ひゃい! 今できましゅ!」
あわわわわ……すっかり忘れていました。
い、急がないと〜!
―― 張飛 side ――
はむはむ、もぐもぐ、はむもぐもぐ……
「張飛様、どんなもんでしょう?」
「うーん……ちょっと皮が固いのだ。もうちょっと水を多めにしたほうが、ふっくらで柔らかくなると思うのだ」
「なるほど……中のお味はどうでしょうか?」
「そっちは、もうまんたい、なのだ!」
鈴々は、残っていた肉まんを飲み込むように食べるのだ。
それを見たおっちゃんの顔が、ぱぁっと明るくなったのだ。
「そ、そうですか……よかった。なにしろこの料理を作るのが、初めてでしたので……食べたことのあるという張飛様が頼りだったのです」
「そだなー。肉まんは、鈴々たちがいた幽州あたりだと多いけど、南のこっちじゃあんまり見かけないもんなー」
「そうですね……まあ、小
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