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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-Final 最終話
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Dragon Quest 1 ハルカ・クロニクル

Chapter-Final
新たなる旅立ち
最終話

空気が美味しいと思ったのは生まれて初めてかもしれない。
僕は大きな仕事を成し遂げたのだ。
いつか再び、悪がこの世界に手を伸ばす時が来るであろう。しかし、暫くはこの世界は安泰だろう。少なくとも数十年は平和な時が続くはずだ。
「さて、挨拶回りにでも行こうかな」
僕は手を空に掲げ、ルーラを唱える。
太陽が眩しい。けれどそれが素晴らしい事である。

リムルダール。
僕が町に入ると、人々は一斉に湧き出す。
拍手をする者、踊る者。
「勇者ロト万歳!勇者ハルカ万歳!」
一体この短時間でどうやって僕が竜王を倒したか……なんて、分かるだろう。今までに感じなかった清々しい空気と美しい天気。そしてそこに入る一人の戦士。……なんとなく想像はつくだろう。
中には僕と握手をしてくださいという人までいた(とりあえず応じた)。
「早速お祭りの準備だな」
「こっちは安売りだ!」
商人もご機嫌であった。相変わらず大根が安売りされている。
リムルダール町長も陽気に笑いながらで僕を迎えてくれた。馬を届けに行ったっきりである。
「お久しぶりだな。勇者ハルカよ。いやあ、気持ちがいい!またお前にお礼をしないとな……といいたい所だが、あいにく良い物が…」
「いえ、良いんです。僕はやるべきことをやっただけですから。あなたが元気でいることが、嬉しいのですよ」
「そうか。勇者ハルカ、本当にありがとな!」
町長さんはしっかりと、僕の手を握る。その手は何か物語っているのかもしれない。これから二度と会えないとか……。いや、僕の考えすぎだろうか?
「あまり長居は出来ないだろう?勇者ハルカ、じゃあな!」
「ええ!」
その後、僕はダンさんのいる教会に併設してある診療所を訪れた。
ダンさんは大分良くなっているようだ。ただ、自由に動けるようになるまでにはまだ時間がかかるという。しかし、全快する日もそれほど遠くないと僕は思う。ダンさんは、かなり嬉しそうだったから。
それともう一つ、あの二人――ロッコさんとナナさんのことである――の様子。ロッコさんはナナさんに「私がしっかりしなきゃね」とウィンクつきで言われていた。なんだかんだでラブラブなのだ。
ラブラブですね、と二人に言ったら、ロッコさんとナナさんは「あなたとローラ姫には負けるけどね」と言われた……。

次に訪れたのはマイラだ。
ここにも僕が竜王を倒したと知るものは多い。様子で分かるものだろうな。
クレアさん、セリアさんは僕に何度も頭を下げていた。
「本当に、ありがとうございました。しばらくしたら、様子を見てダンさんのところへ行ってみようかと思います。もう大丈夫ですよね?」
「ええ。これで魔物は人を襲
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