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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-Final 最終話
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がら父親であるラルス王にお礼の手紙を読んだ。
イアン一家は僕にペアのレースのハンカチをくれた。僕とローラ姫の名前の刺繍付き。刺繍をしたのはエリカちゃんだと言う。
「上手だね」「素敵ですわ」僕とローラ姫がそれぞれほめると、エリカちゃんは、
「あ、お母さんに教わって頑張ったの、嬉しい」
とはにかんだ。
その晩は2人一つのベッドで眠った。

翌朝、ついに僕達の旅立ちが許された。
この日も多くの人たちが見送りに来てくれた。
ラダトームをいよいよ離れる時が来た。
短いような長かったような僕の冒険。
竜王を倒し、平和が戻った。
けれど僕、いや僕達の冒険はまだ終わらない。また新しい旅に出るんだ。
「さあ!ハルカとローラの新たなる旅立ちだ!!」
ファンファーレが青い空に響く。
僕はローラと手を繋ぐ。
「さあ、行こうか、ローラ」
昨晩色々会話して、呼び捨て、ため口OKということになった。夫婦になったことだし。
「ええ、ハルカさん」
「え?呼び捨てじゃないの?」
「……えっと……」
ローラは顔を真っ赤にしてもじもじした。
「は、は……」
どうやら恥ずかしいらしい。無理もない。ローラは他の人を呼び捨てで呼んだことはない。年下でも「さん」付けはするのだ。
「無理しなくて良いよ。でもいつか、僕の事、『ハルカ』って呼び捨てで呼んで欲しいかな」
「分かりましたわ、ハルカさん」
顔を赤くして笑うローラ。とても可愛い、僕の奥さん。
これから、長い時を大好きなローラと過ごすのだ。
僕もローラも幸せだ。
「皆さん、ありがとうございました!!」
「勇者ハルカ様!ローラ姫!行ってらっしゃいませ!!」


アレフガルド暦401年、勇者ロトの血を引く者、勇者ハルカ。
竜王を倒し、世界に光を取り戻した。
ここに、新たなる伝説が生まれた。
この勇者ハルカの功績は勇者ロトの功績と共に永遠に語り継がれるであろう。
そして、その妻となった王女ローラも勇者ハルカと共に肖像画、銅像として残される事となった。

――ハルカ・クロニクル END
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