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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-Final 最終話
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しきものを倒してくれたおかげで、ここで眠っている者たちも、安心しているようです。私も、心が安らぎました。ありがとうございます。……そして、おめでとうございます。ここで眠っている者たちも、ああなたを祝ってくれているようですわ」
シスターも僕の指輪に気がついていた。グローブの上に指輪をはめているのはおかしいかなとは思ってはいたが、誰も変だとは言わなかった。
僕はしばらくメルキドの街を歩いた後、白い馬に乗って、あの場所に向かうことにした。

ドムドーラ。竜王が滅んだ今でも廃墟のままである。……当然なのだが。
しかし、微かに美しい音色が聞こえる。よく見ると、人がいるではないか!
「あの、何をしているんですか?」
近づいてよく見ると、その人は半透明になっていた。……霊?
「ああ。貴方は勇者ロトの血を引くもの、ハルカさんですか」
「ええ。貴方は?」
「私はガライ。北の方に町があるでしょう?それが私が造った町ですよ」
何と、伝説の吟遊詩人ガライだった。ロトの時代に生きた人。ロト様――レイル様が上の世界に帰った後、ガライは街づくりを始めたという。
「何故ここに?」
「ええ。かつて賑わっていたドムドーラの町並みを思い出していたのですよ、かつては本当に、たくさんの人がいて、賑わっていました……」
そう、ドムドーラもかつては賑わっていたのだ。ロト様の居た時代はもっと賑わっていたと言う。
ガライはまた楽器で演奏を始めた。美しい声だ。
……賑わっていた町並みが見えた気がした。
「おや、皆、貴方に感謝しているようですよ。竜王を倒してくれてありがとうって」
僕にも見えた。今は亡き、ドムドーラの人々……。皆笑顔だった。
「安心して、眠れますわ」
「お兄ちゃん、ありがとう!」
「そうだ、ハルカさん、貴方に会いたい人も着ているのですよ」
「え?」
ガライの方を見て再び人々のほうを向く、すると、若い男の人と女の人が居た。まさか……。
「父さん、母さん……?」
その男女は頷いた。僕の父さんと母さん……。父さんはどことなく、僕に似ている気がする。いや、僕が父さんに似たんだ。母さんはとても綺麗な人だ。
「ハルカ、本当に大きくなったな。僕達は嬉しいよ。こんなに立派になってくれて……」
「ハルカ、私達の願ったとおりになってくれた。本当に嬉しいわ」
「父さん、母さん……僕は……」
僕はそっと兜を脱ぐ。
「ああ、やはりハルカは僕に似たんだね。でも、目の色は母さん似かな」
「そうね。貴方は茶色の目ですものね」
僕は泣きそうな気持ちを抑え、必死に笑顔を向けた。
「ハルカ。お前は僕達の立派な息子だ。これからも、僕達の分まで精一杯生きてくれ」
「そして、幸せになるのよ……。まあ、あなたもいつか父親になるのね?」
「指輪、か。確か、ハルカのお嫁さんは
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