Chapter-Final 最終話
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うことはなくなるはずですから」
「まあ、心配だからあたしもついていくけど」
クレアさんの性格ゆえなのか、単について行きたいだけなのか。
「セリアさん!私は大丈夫ですよ!」
クレアさんは顔を赤らめて豪快に笑うクレアさんに言い返していた。クレアさん、以前より表情豊かになった気がする。
「あら、魔物じゃなくて悪い虫によ。勇者ハルカさんは彼女持ちだし、優しいから問題ないけど」
「もう…あら、ハルカさん、顔赤いですよ?」
確かに体が熱い気がする。理由は言うまでもない。
「……あはは。で、では、僕はこれで!」
「あら、もう行っちゃうのかい?まあ、忙しいんだね」
セリアさん、ニヤニヤしないでくださいよ。
「ハルカさん、ありがとうございました!」
名残惜しそうにクレアさんは僕に手を振ってくれた。セリアさんは相変わらず豪華に笑いながら手を振った。
そしてもう一人。ぱふぱふ娘として利用されていたところを助けた女性、セアラさんだ。
「ハルカさん!あなたのおかげなのね?ありがとう!メルキドに帰れる日もそう遠くないって、土産屋のおばちゃんが言ってくれたわ。楽しみなの。こんな気持ちになれるなんて思わなかったわ!」
セアラさんは楽しそうに嬉しそうにくるくる回る。家族と彼氏と離れ離れになっているのだ。再会できることに喜んでいる。
「楽しみなんだね」
「当然よ!本当に感謝だわ!ハルカさんには色々助けてもらった気がするわ」
それは初めてマイラに訪れた時、もう一つは僕が竜王を倒したから、ということなのだろう。
「さて、僕はもう少しここをまわってから行くね」
「ええ、ハルカ、ありがとう。ローラ姫とお幸せに!」
と言って、セアラさんはウィンクした。そういえば、ローラ姫を連れて、マイラにも来たっけな…。セアラさんも僕とローラ姫の姿を見ているのだろう。
マイラの温泉街はこの日はそれほど人は多くなかった。けれど、これから訪れる人は増えるだろう。ここへ来やすくなっている筈だから。
温泉施設はおじいさんやおばあさんが次々と入っていく。僕の姿を見ると、微笑んで挨拶してくれる。中には拝む人までいる。僕は神様でもルビス様でもないんだけど。
既に入った者は、「前より効果があった気がするよ。勇者が竜王を倒してくれたおかげじゃ、ねえ」とほとんどの人が口々に言う。
そんな効果があるのかと思うのだが、気分が良くなったから、とも言えるかもしれない。
……さて、ガライやメルキドも言っても良いが、ここはラダトームへ戻ろう。
ラダトーム城下町。ラダトームへ戻ってくるのは何日ぶりだろう。竜王城でも長い時間もぐっていたようだし。
「ただいま戻りました!」
僕は叫んだ。すると、あの時――ローラ姫を救出して戻ってきた時――以上に盛り上がっていた。
「勇者ハルカ万歳!ラダトー
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