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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-6 第24話
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「……!?」
一瞬の油断だった。
竜王は尻尾で僕を吹き飛ばした。
吹き飛ばされた僕は壁に激突した。
「うっ……」
意識が薄れていく。
そんな僕に勝ち誇ったような表情を浮かべ、尻尾で何度も僕を打ち付ける。
いたい、痛い!僕は叫ぼうにも声が出ない。
ヤバイ……!!
僕は負けてしまうのか?ここまで来て、憎きあいつに負けてしまうのか!?
「っは……」
必死に声を出そうとする。しかしでない。意識が遠のいていく。
もう……駄目なのか?僕は、死んでしまうのか……?

嫌だ!死にたくない!!

「勇者ハルカ。貴方はここで死んではいけません。生き続けなければならないのです」
「ハルカ!頑張って!……絶対に勝つんだ。大丈夫。ハルカなら勝てる。僕でさえ4人でないと旅が出来なかった。でも、君はひとりで闘ってこれた。ハルカ……死んでは駄目だよ…………!!」
そうだ。僕は死んではならない。皆のためにも、生き続けなければならない。

「……コレデ、トドメダ……!!」
竜王の爪が僕の首に振り下ろされようとしていた。
「そうはさせないぜ!!」
竜王の爪は僕の首ぎりぎり数センチのところで止まった。
僕はボロボロの体を引きずりながら立ち上がった。
「ベホマ!!」
剣を上に掲げ、僕は叫ぶ。
傷は消えた。……それだけではなかった。
僕は周りに光を感じた。力がわいてくるような不思議な光が。
光が消え、剣に移る僕の頭を見る。
なんと、兜の形が変化していたのだ!
バイザーの部分はロトの紋章がつき、角の部分もいつもの兜とは違い、曲がっていた。
「……ソンナ、バカ……ナ……!!」
「僕はなあ、死ぬわけにはいかないんだよ!生き残って、またロトの血筋を残して生きたいんだよ!!」
反撃に出る。
「“五重十文字斬り”!」
竜王の腕から緑色の血が流れてきた。
「“横一文字”!!」
竜王の首の皮が切れた。
竜王も黙ってはいない。僕に高熱の炎を浴びせた。
僕は喰らいながらも、何とか踏みとどまる。
「オレモ……ホンキダ……!!」
本気じゃない時があるとでも?この場に限って、そんなのはありえない。
僕は大きく息を吸った。そして、飛び上がった。
竜王は言葉を発する能力は残っているが、体力は大分減っているだろう。
僕はロトの剣に力を込めた。
大きく目を見開き、空中にいながら、剣の先を竜王に向ける。
そして……僕は今までに発したことのない呪文を、剣を振り回しながら、叫んだ。

「ギガデイン!!」

ギガデイン。それは伝説の勇者ロトが使用していた最強の呪文。今は失われたはすの呪文だった。なぜ、こんなことが出来たのかは、解らない。
ベギラマ・スパークの数倍輝く光の線が竜王を捕らえる。
そして、竜王を捕らえると、……大爆発を起こ
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