Chapter-6 第23話
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さない……いや、もうあれは、俺の親父じゃない……。ああ、すまない勇者ハルカ」
「謝る必要は無いよ。君も僕も、“竜王”を憎み嫌っているんだね」
「ああ、」竜王子はハルカに向けて力ない笑顔を見せた。感謝をしようと必死に笑顔を保つ。
ハルカは竜王子に向けて、ベホイミをかけた。
「少しでも、君に元気になってもらいたい。僕を信じて。……僕は行くから」
竜王子はハルカの手を握る。「こんな俺でも、役に立てたかな」
「立てたさ。……じゃあ、ね」
「ああ。俺のためにも、お前の為にも、ここの世界の人たちの為にも、竜王、俺の親父を倒してくれ」
「ああ、僕が、倒すからな」
竜王は悪となり、彼の妻(恐らく竜王妃)を殺し、息子(竜王子)を捨てた。
そして新たな妻にしようと、ローラ姫をさらった。
その前に邪魔者を消そうとハルカの両親を物理的に、ローラ姫の母親を呪いという方法で殺した。
最初から、ハルカは竜王を倒すつもりではあった。しかし、誰もから恨まれる様な極悪非道な奴だと、改めて知った。
腰に挿しているロトの剣が光る。(炎の剣は魔法の道具袋に入れた。竜王子に差し上げても良かったが、竜王子はそれを断った)
(僕は……絶対にっ!!)
その時、音が鳴った。
音の主は王女の愛、つまりローラ姫からであった。
「ああ、すみませんね、ローラ姫」
今までかけてこなかった事に侘びを言った。時間間隔が無く、どれくらい時間が経っていたかは解らなかったが、かなりの時間が経っているようにハルカは思えた。
「いえ。ハルカ様も大変だったのですね。一週間も……」
「そうですかそんなに…」
「ずっと篭っていらっしゃったのね。大丈夫ですか?ハルカ様」
「大丈夫。いくらか休憩と食事もとっています。呪文の力にも助けられ、何とかここまで来ています。ロトの剣も手に入れました。後、もう少しです」
ハルカはローラ姫に、竜王の息子、竜王子にであったことを話す。
「まあ……!竜王は息子がいたのですか!」
当然の驚きである。
「ええ。竜王子は、善の心を持っていました。彼が悪に染まったと言う言葉……もしかしたら竜王の一族は本来なら悪の存在ではなかったのかもしれませんね」
ハルカは勇者ロトが見せた竜王に対する反応、それを思い出していた。断定は出来ないが、勇者ロトが見た『卵』の正体が竜王もしくは竜王一族だとすると、竜王は本来は悪の存在ではなかった可能性も高いのだ。
「そうですね。……ハルカ様、貴方の声が聞けてよかった……生きて……帰ってきてください。ハルカ様をわたくしはお慕いしています」
「僕も、貴女を…」
ハルカはローラ姫の声を聞けてほっとする。いつもの方法で会話を終えると、魔法の道具袋に入れて、再び歩き出す。
それから更にどれくらい歩いてきたのだろうか。
突入してか
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