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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-6 第21話
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、不思議な世界。そこと雰囲気はなんとなく、だが似ている。
「僕もいずれか行くことのなりますか」
「そうだね……まだ解らないかな」
勇者レイルは裏表のない笑顔でそういった。それは“行くことになる可能性が高い”ことを示していた。
そう読めた勇者ハルカだが、あえて言わないことにした。
「ねえ、ハルカ。僕は心配なんだ」
「え?」
「竜王って、……いや、なんでもない」
「レイル様……竜王の正体って解ります?」
「僕は上の世界で、光の玉を受け取った。光の玉を持っていたのは、『竜の女王』なんだ。あの方は、卵を産んだ後すぐに亡くなられたんだ……。人型はしているが、人ではない……まさか、あの卵から生まれたのは……」
「……」
勇者ハルカには詳しくは分からない話だったが、不穏な空気は読めた。
「レイル様……それは、確信があるんですか……」
「無いよ。ごめん、余計なこと、話してしまったね」
勇者レイルは苦笑して、直後に悲しそうな顔をする。
「まだ、そうと決まったわけではないのですね。でも、関連はありそうな気もします。『竜』、『卵』、そして、僕が取り戻そうとしている『光の玉』。……レイル様、僕は竜王を倒すべきなんですよね?」
「それは倒すべきだよ。君の肉親やローラ姫の母親、たくさんの人たちを殺してきた非道な魔王には間違いないからね」
「……ですよね。僕は、竜王を倒したいです」
「ああ。僕も信じてる。僕の大好きな、大事な子孫だから、なくしたくない」
アレフガルドに再び“光”を取り戻す為には、竜王を倒さなければならない。それは決定付けられたこと。
もう、何も迷いは無い。
「ハルカ、……頑張って」
「はい、レイル様。プラチナさんたちにも、よろしくお伝えください」
「解った」
空が白く光る、夜明けの時が来ることを知らせている。

ガーネットの月の寒空にファンファーレが響く。
「僕の為に……出陣式ですか?」
「その通りだ」ラルス王が答える。
ラダトーム城には多くの人々が訪れていた。
「ハルカ様!」
「ローラ姫!……僕は、絶対に戻ってきますから!」
「ええ。あ、あの……たまに、でよろしいので……」
ローラ姫は泣いていた。緊張か辛さか、そのような、胸を締め付けるような気持ちでいっぱいだった。
「解ってます。“王女の愛”で、話しかけますね。貴女の不安を、僕の不安を、少しでも和らげる為に」
ハルカもつられて泣きそうだったが、何とかこらえた。その代わり、イアン一家3人全員泣いていた。
「ハルカよぉーー生きて帰って来いよーー」
「頑張ってくださいね……」
「絶対、勝ってね…」
「はい、貴方達の期待に、絶対に沿って、みせます」
ラルス王も泣きそうになるが、国王と言うもの、国民の前では泣くわけには行かず、ハルカと同様に何とかこら
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