暁 〜小説投稿サイト〜
DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-6 第21話
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
す。
(もう、ここまで来たら逃れることは出来ない)
空は段々と暗くなる。
ハルカは寒い外で、何度も剣を素振りしていた。
意味の無いことかもしれない。ただ、ハルカは落ち着かなかったのだ。
(本当は僕は臆病者かもしれない。でも、逃げたくない)
ただ、ひたすら剣を振り続けた。

気が済むまで終えると、イアンの家で一泊する。
ノック音がした。ハルカはそっとドアを開ける。
「ハルカさん……」
サユリとエリカだ。二人とも心配そうに顔を曇らせて。
そしてハルカが泊まっている部屋に入ってきた。
「……怖いですか?」
「サユリさん、エリカちゃん……。怖くないといったら嘘になるかな。でも僕は逃げないよ。絶対に竜王を倒してやる!って決めたから。大丈夫。絶対、僕は帰ってくる、ラダトームに」
ハルカはサユリとエリカの手を握る。力加減は忘れずに。
「帰ってきてね、絶対よ」
「帰ってきます。僕は」
「信じてるから」
「ああ」
サユリとエリカはハルカの真剣な眼差しに圧倒されそうになった。
しかし、それと同時に、期待感を植えつけられた。今、頼れるのは勇者ハルカのみ。
きっと、彼ならやり遂げてくれる、そう信じられる。
「エリカ、これ以上ハルカさんを邪魔してはいけないわ。私達はハルカさんを信じてる。それ以上のことはないわ。さあ、出ましょう」
「ええ。ハルカさん、幸運をお祈りします」
「解ってる」
バタンとドアの音がすると、ハルカは“王女の愛”を手に取り、祈った。
そして、いつもの鎧に身に着けているロトの印を握り締めた。
「ロト様、僕は戦います。ルビス様、ロト様、僕を見守っていてください」
“王女の愛””ロトの印”どちらもハルカにとっては大切なお守りなのだ。

場所は変わり、白い天空のテラスような場所。全体的に白く輝いている。
「……そうか、行くんだ」
そう、ここは夢の中、勇者ハルカは勇者ロト、レイルと会う。
一対一の話である。
「ええ。何日かかるか解りません。一ヶ月かそれ以上かかるかもしれません」
「君は……一人で戦うんだね。凄いよ」
勇者レイルは目を伏せて、勇者ハルカに微笑んで言った。
「いえ、ロト様がいてこその僕ですから」
「ありがとう。……ねえ、ハルカ。知ってた?君が旅立って、何度か……」
勇者レイルが言い終わらないうちに、勇者ハルカが言葉を挟んだ。
「聞こえてました。やっぱりレイル様なんですね」
「ああ。……僕はゾーマを倒し、神竜を倒し、プラチナと結婚し、二人の子供をもうけ、成長した時。子供達をアリアハン城に預け、僕とプラチナ、トウカとナギサは……いや、この先は言わないでおこう。死んだわけじゃないから安心しな」
ルビス様のいる不思議な世界なのかも知れないと、聞いたハルカは思った。雨の祠の旅の扉から訪れた
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ