百足巨人の猛攻
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。剣に比べて脆い槍を二本持つという一見して愚の骨頂に見える戦術だ
剣よりも槍は長いために双剣に比べ双槍は難易度が遥かに高い
しかし、使いこなすことができれば双剣をさらに上回るリーチから凄まじい手数を実現できる超攻撃的な戦術だ
双剣との相性は双槍の方が絶望的なレベルで有利
敵の技能レベルはわからないが、仮にもボスが最後に出してきた技能となると、ミスに期待するというのは無理がある
対双槍ならばガチガチに固めた盾戦士か重力級の武器を持った重戦士が望ましいというのに、俺達の中でそれを満たす人物は今頃、接客の真っ最中だろう
「……ふぅ……」
文句を言っても始まらない。当たって砕けるくらいの心構えでやるか
巨人の猛攻は斬り払いから始まった
斬り下ろし、斬り上げ、薙ぎ払い、多彩な軌道を描いて先程よりも密度を上げて迫ってくる凶刃を剣による受け流しの他に鋼糸や魔法を交えてかい潜っていく
HPが凄まじい勢いでガリガリと削れていくが、後ろから飛んでくる回復魔法でそれが押し戻される
辺りを火花と風に巻き上げられた鋼糸の切れ端が宙を舞い、高エネルギーの塊が空を斬り裂く
金属と金属が擦れる音や風圧によって発生する風の音が辺りを埋め尽くす
そんな死のロンドもやがて終演を迎える
キリトたちの放った多段ソードスキルが巨人のHPを音もなく削り切ったからだった
「……さすがに疲れたな」
集中していたがために体感時間は実際の何倍にも引き延ばされ、正直俺には何時間も戦っていたような気がするが、実際の時間は十分程度だそうだ
「お疲れ様、リン」
「リン、凄かったよ!」
「ああ、ありがとう」
後ろから寄ってきたシノンが軽く肩を叩き、前から走ってきたユウキが興奮覚めやらぬ様子ではしゃぐ
元気だな……
「リン、大丈夫か?」
「いや、もう布団に潜り込んで寝たいくらいだ」
「……大丈夫そうだな」
どう見たら大丈夫なのか小一時間ほど問い詰めたい。お前の目が節穴かどうかも含めて
「だってリンってさ。本当に無理なときは無言で消えるよな。50層のボス戦の時とか」
「……」
それは知らなかった
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