―幻魔降臨―
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「痛ってえ……」
まだ痛む片足をさすりながら、俺は赤い空間で倒れていた。
最期のセブンスターズに不戦敗を喫してこの赤い空間に閉じ込められてからすぐ、赤い空間で倒れ込んで気絶してしまったため、あれから何日たったかは分からない。
……というか、今何が起きているかも分からない。
七星門の鍵の守護者、残る十代と万丈目は あの最期のセブンスターズであるだろう灰色のコートの男に勝てただろうか……
いや、十代と万丈目ならば大丈夫だろう。
そう信じるしかない。
「……元気そうだな」
灰色のコートのセブンスターズの声が後ろから聞こえたので、恨み言でも言おうと背後を見ると――自慢の灰色のコートも無惨に裂け、見るからにボロボロとなった男がいた。
「おい、大丈夫か!?」
つい灰色のコートの男に駆け寄ってしまい、肩を抑えて大丈夫かを確認したところ、セブンスターズの男が被っていた仮面がとれ、音を立てて地面に落ちた。その素顔は――
「大徳寺……先生……!?」
オシリス・レッド寮の寮長にして、錬金術の担当の……大徳寺先生だった。
「大徳寺先生、何で……」
「時間がない……手短に話すから黙って聞くんだ……!」
ボロボロの格好ながらも、いや……だからこそ鬼気迫る表情で大徳寺先生は俺に迫り、矢継ぎ早に語り出した。
「私の身体は錬金術によって作り出したホムンクルス……賢者の石を求めてセブンスターズとなっていた」
賢者の石というのは、大徳寺先生の錬金術の授業で知っている。
いつもの語尾につける『ニャ』をつける余裕も無く、大徳寺先生は語り続ける。
「この身体はもう限界……だが、最期に頼みたいことがある……三幻魔を、止めて欲しい」
大徳寺先生のその願いは妙だった。
大徳寺先生が最期のセブンスターズというのであれば、むしろ三幻魔の復活を望んでいるのでは無いのか……?
俺の疑問は顔に出ていたのか、大徳寺先生がすぐ疑問に答えてくれた。
「私のセブンスターズとなった目的は、闇のデュエルを通して三幻魔を止められるデュエリストを育てることだった……そのためとはいえ、君たちにはすまないことをした」
大徳寺先生はぺこりと少し頭を下げ、また話を続ける。
「恐らく今、現実ではこの事件の黒幕により三幻魔は復活しようとしている」
「黒幕!?」
セブンスターズはもう全員いないようだが、まだ黒幕がいたというのか……?
「黒幕の正体は、このデュエル
アカデミアの理事長……《影丸》という老人だ。その年は齢百年を超え、昔は私と共に賢者の石の研究を行っていた……だが、彼は三幻魔に魅せられてしまった。手に入れた者には不老長寿と最強の力を与える、という伝説に」
影丸理事長……デュエルアカデミアの生徒な
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