第十一話 困ったときには原作知識
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ラウンシュバイク公は顔を潰されたのです。必ずや討伐隊の指揮官を願い出るでしょう」
『……』
「それが許されれば、ブラウンシュバイク公はこのオーディンに大軍を集結させます。それでよろしいですか」
三長官の顔が強張った。ミュッケンベルガーが唸り声をあげている。事務局長室も空気が緊迫した。皆、危険だと分かったのだろう。
『卿はブラウンシュバイク公がクーデターを起こすと思うのか?』
「そうは思いません。しかし威を示そうとして出来る限りの軍を集めたとしてもおかしくは有りません。先走る馬鹿者が出る可能性が有ります」
俺がミュッケンベルガーの問いに答えると三人とも顔を顰めた。馬鹿者に心当たりが有りそうだ。
「それに陛下に万一の事が有れば大軍を擁したブラウンシュバイク公がどう動くか、予断を許しません。帝国は極めて危険な状況に陥ります。彼らに大軍を指揮する機会を与えるべきではありません。それを防ぐためにもこの反逆は軍が討伐するという事を犯人が分かる前に予め決めておくべきです」
スクリーンの三人が顔を見合わせた。
『総参謀長の危惧はもっともと思うがどうかな? 統帥本部総長、司令長官』
『私ももっともだと思う』
『私も同意見だ』
エーレンベルクの問い掛けにシュタインホフ、ミュッケンベルガーが答えた。
『ではこれから参内するとしよう』
『うむ、この際だ、国務尚書にも同行してもらった方が良かろう』
『なるほど、良い案だ。軍だけでなく政府からも口添えが有れば陛下も否とは申されまい』
『確かに、妙案だな』
ミュッケンベルガーの提案にシュタインホフ、エーレンベルクが同意した。流石だな、伊達に歳は取っていない。
「では我らは出撃の準備を整えます」
『うむ、頼むぞ』
「はっ」
俺が敬礼するとスクリーンの三人も敬礼した。ようやくこれで分艦隊司令官の問題も解決するわ……。
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