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銀河英雄伝説〜悪夢編
第十話 どうして俺を頼るんだ
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らフリードリヒ四世になりたい。

勲章の授与は終わったが未だグリンメルスハウゼンの元帥杖授与式が有るから帰る事は出来ない。参列者に割り込んで式典に参加しなければならないのだ。割り込む場所を見つけるのはそれほど難しい事では無い。参列者は階級順に並んでいる、新任の大将の俺は大将の一番最後に並べばいい。

もっとも並んで直ぐにウンザリした。傍に居るのはクライストとヴァルテンベルク、第五次イゼルローン要塞攻防戦の味方殺しコンビだった。二人とも厭な目で俺を見ている。俺の所為で閑職に回されたと思っているのだろうしまさか三年で歯牙にもかけなかった中尉が大将に昇進するのは理不尽だとも思っているのだろう。自業自得だろう、馬鹿共が。

この二人が最後尾に居たのは何となく分かる。軍事参議官になって三年、おそらくは何の音沙汰も無いはずだ。本来は皇帝の諮問機関として軍事参議会が有るんだが開かれた事なんて無いだろうし……。普通ならなんかの役職に着いてる。どう見ても飼い殺し、左遷だよ。

大体イゼルローン要塞司令官、駐留艦隊司令官というのは大将が任じられるんだが大将としては上がりのポストだ。異動になる時は上級大将に昇進する。最前線勤務を四年から五年は務めるのだから容易なことではない。大きな戦闘も一回は有るだろうし小競り合いは頻繁にあるだろう。昇進は妥当と言える。それなのにこの二人は昇進していない。なかなか前の方には行き辛いだろうな。だからと言って俺を睨むのは筋違いだ。こっちだって酷い目に有っているんだから。

「グリンメルスハウゼン子爵、リヒャルト殿」
式部官の声が黒真珠の間に響いた。控室から出てきたグリンメルスハウゼンがよたよたしながら歩いて来る。大丈夫かな、老人。頼むから転ぶなよ。彼方此方からクスクス笑い声がした、クライストとヴァルテンベルクも笑っている。

笑うんじゃない! この老人のために俺がどれだけ苦労していると思っている! お前らなんかに笑われてたまるか! 思いっ切り咳払いをして笑っているクライストとヴァルテンベルクを睨みつけてやった。二人が沈黙したのを見て次に馬鹿貴族共を睨みつける。文句あんのか? この馬鹿共が!ブリュンヒルトの主砲で吹き飛ばしてやろうか。俺は最高に機嫌が悪いんだ!

戦艦ブリュンヒルトは皇帝陛下よりグリンメルスハウゼン元帥に下賜された。どっかの誰かがオストファーレンは宇宙艦隊副司令長官の乗艦には相応しくないとか言ったらしい。何と言っても相当に古い艦だからな。老人は有難くも純白の貴婦人を授かったわけだ。どうせなら本当に人間の女なら良かったのに……。

爺さんはブリュンヒルトを貰って大喜びだけどな、俺は全然嬉しくない。宇宙空間であんな真っ白な艦を旗艦にするなんて何考えてるんだか、目立ってしょうが無いだろう。有視界戦闘になる可能
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