第八話 なんでそうなるの?
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ュータには四方から進んでくる反乱軍とそれに対して進む帝国軍が表示されている。
「リューネブルク中将、笑うのは止めて頂けませんか。いささか不謹慎だと思うが」
レンネンカンプ少将が眉を顰めて注意した。
「これは失礼。だが本気の参謀長を見られると思うとつい嬉しくてな。悪く思わんで頂きたい」
皆がヴァレンシュタイン参謀長に視線を向けると参謀長は迷惑そうに眉を顰めた。
「変な事を言わないでください、私はいつも本気です」
「そうですかな、参謀長は苦しい時ほど力を発揮する。そう思っているのですが」
「買い被りですね」
参謀長が溜息を吐くとリューネブルク中将が軽く一礼した。妙な二人だ、皆が顔を見合わせた。
「……反乱軍は通信を制限している様子は有りません。自分達が大軍で有る事をこちらに教えようとしているようです」
「こちらが撤退すると想定しているという事かな……。ならば不意を突く事は可能かもしれない」
ビューロー中佐、ミュラー少将の発言が続いた。
「しかし上手く行きますかな、反乱軍に待ち受けられれば包囲殲滅されますが」
「中央は危ないな、レンネンカンプ少将の言う通り包囲される危険が有る。しかし両端ならどうだろう、どちらか一方の艦隊を叩いて離脱する、上手く行けば隣の艦隊も叩けるかもしれん。出来ない事ではないと思うが」
ミッターマイヤーの言葉に皆が頷いた。
「確かにミッターマイヤー少将の言う通りです。二個艦隊はきついかもしれませんが一個艦隊なら上手く行く可能性は高い」
俺の言葉に皆がヴァレンシュタイン参謀長に視線を向けた。参謀長は戦術コンピュータのモニターを見ている。
はて、何を考えているのか。ヴァンフリート、イゼルローンでグリンメルスハウゼン艦隊が圧倒的な存在感を示したのは参謀長が居たからだと聞いている。実際俺が見てもそう思う、指揮官席のグリンメルスハウゼン提督はどう見てもただの老人だ。軍の指揮などとてもできまい。
「反乱軍の本隊は叩けませんか」
「本隊?」
皆が唖然とした表情で参謀長を見た。
「ええ、迂回して本隊を叩く。五千隻ほどの部隊です、勝利を得るのは難しくは無い。本隊を撃破出来れば、ロボス司令長官を補殺出来れば反乱軍は兵を退かざるを得ないと思うのですが」
彼方此方で唸り声が起きた。なるほど参謀長は勝つ事よりも兵を退かせる事を考えていたか。一個艦隊の撃破では反乱軍が退かない可能性が有ると見た……。
「宇宙艦隊司令部が壊滅、一から再建となれば……」
「かなり時間を稼げるな」
クナップシュタイン、グリルパルツァーが興奮した様な声を出した。
「しかし敵中奥深く入るのは危険ではありませんか。無理をせず、一個艦隊か二個艦隊を撃破した方が良いのではないかと思いますが……」
クレメンツ副参謀長の
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