第六話 そんな事を言ってるんじゃねえよ!
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ンメルスハウゼン上級大将だ」
「おいおい、正気か。俺をからかってるのか」
エーリッヒがまた声を上げて笑った。
「からかってなどいないさ、気が狂ってもいない、本当だ」
「しかし」
俺が言い返そうとするとエーリッヒが手を上げて遮った。
「まあ聞いてくれ。グリンメルスハウゼン提督が率いる戦力は一個艦隊、二万隻だ。反乱軍はどう出るかな?」
一個艦隊、二万隻? どういうことだ、随分と中途半端だが……。
「……叩き潰す良い機会と思うだろうな」
「それで、どうする」
「そうだな、二個艦隊、いや最低でも三個艦隊は迎撃に出すだろう」
反乱軍の正規艦隊は一万二千隻から一万五千隻程度だ。確実に勝利を求めるなら最低でも三個艦隊は動員する。俺ならそうする。エーリッヒも同感なのだろう、頷いた。
「では反乱軍の三個艦隊を相手に我々はどうする?」
「さてどうするかな。反乱軍は我々の倍近い兵力を持っている。正直勝利を収めるのは厳しいだろう」
俺の答えにエーリッヒが笑い出した。
「厳しい? 不可能だよ。我々は撤退する」
「撤退?」
「ああ、撤退だ」
「しかし……」
「撤退後、帝国軍三長官は皇帝陛下に次のように奏上する」
「……」
「ヴァンフリート、イゼルローンで大功を上げたことによりグリンメルスハウゼン提督は反乱軍に酷く恨まれている。今後戦場に出れば集中的に反乱軍の攻撃を受けかねない。提督を戦場に送る事は危険である……」
「それは……、つまり狙いはそれか」
エーリッヒは笑みを浮かべて頷いた……。
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