第三話 俺達は同志だ
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押し寄せてこよう。グリンメルスハウゼン提督、卿の一層の活躍に期待させてもらう』
「はっ、必ずや期待に応えまする」
『うむ、頼もしい事だ。ではこれで失礼する』
スクリーンから元帥が消えるとグリンメルスハウゼン提督が感慨深そうにスクリーンを見詰めた。
「提督、総司令官閣下は提督の御働きに感謝し期待していると……」
「そうじゃのう、参謀長。次の戦いでは不甲斐ない戦いは出来んのう」
「はい、目覚ましい武勲を上げなければ」
「うむ、このような事は初めてじゃ、嬉しいのう」
あーあ、お爺ちゃん大喜び。もう泣き出しそうになってる。そして周囲は何も映さなくなったスクリーンに???な状態。そりゃそうよね、皆ミュッケンベルガー元帥がグリンメルスハウゼン提督に何の期待もしていない事を知っている。それが“提督の活躍に期待させてもらう”だなんて……。
当然だけどこれは偶然じゃない、ミュッケンベルガー元帥の頭がおかしくなったわけでもない。これを演出した人間が居る。この状況を驚いていない人間、エーリッヒ・ヴァレンシュタイン少将、私の直属の上司だ。全ては先程、イゼルローン要塞で始まった……。
グリンメルスハウゼン艦隊がイゼルローン要塞周辺に戻るとヴァレンシュタイン少将は直ぐに私を連れて要塞に出向いた。ちょっと驚きだった、オフレッサー上級大将、シュターデン少将には自ら報告に行くとは言っていたけどあれは脅しだと思っていた。
作戦そのものはあざといと言うかえげつないと言うか碌でもない作戦だと思う。よくもまあこんな酷い作戦を考えついたものよ。だけど効果は満点としか言いようがないわ。あれじゃ同盟軍はローゼンリッターを前線には出せない。私としてはワルターとリューネブルク少将が殺し合うなんて事にならずにホッとしている。
多分リューネブルク少将も同じ思いだと思う。帝国に亡命した時、いずれはワルター達と戦う事になると思っただろうけど実際に戦うとなれば色々としがらみが有って遣り辛かったはずだ。少将にとってヴァンフリートは決して戦い易い戦場では無かったと思う。
報告に関して言えば問題は無いはずだった。オフレッサー上級大将、シュターデン少将はミュッケンベルガー元帥にグリンメルスハウゼン艦隊に独断で依頼したと報告して元帥に叱責されたってアンベルク少佐が教えてくれた。
少佐は宇宙艦隊司令部に知り合いが居る。最近私に色々と教えてくれるけど私を通してヴァレンシュタイン少将に取り入ろうとしているらしい。どうやら少将に直接取り入るのはちょっと気が引けるようだ。もっともそれはアンベルク少佐だけじゃない、クーン中佐、バーリンゲン中佐も似た様な事をしている。まあ情報が入るのは嬉しいのだけれど下心が有るのはちょっと……。
要塞内に入って廊下を歩いていると吃驚する
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