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銀河英雄伝説〜悪夢編
第二話 余計なことはするんじゃない
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わない、帝国に亡命しろ。ローゼンリッターは上層部から疎まれている。そのことは誰よりも俺が理解している。同盟では貴様は所詮連隊長止まりだ、それ以上の出世は難しいだろう。だが帝国なら武勲を上げれば正当に評価してもらえる。俺を見れば分かるだろう、少将閣下だ。貴様なら中将、いや大将も可能だ」

「貴様だけではないぞ、シェーンコップ。なんなら連隊ごと亡命しても良い、帝国軍は喜んで受け入れてくれるはずだ。別に同盟軍の作戦などを手土産にする事は無い、身一つで亡命しろ。帝国軍はヴァンフリートで善戦したお前達を高く評価しているのだ」

「良く考えろ、シェーンコップ。貴様だけの問題ではない、ローゼンリッター連隊隊員すべて、いや亡命者全体の問題でもあるのだ。俺は貴様と肩を並べて戦える日が来ることを望んでいる。待っているぞ」
流石に三度目ともなると上手いものだ。なかなか情感が籠っていた。

まあこれで反乱軍は連中を前線に出すのは躊躇うだろうな。リューネブルク少将の話ではローゼンリッターは必ずしも良い待遇を受けていないらしい。本人達が前線に出たがっても上層部は逆亡命を恐れて許さないはずだ。

しかし何ともえげつない手だな。オフレッサー、シュターデンを手玉に取った事といい司令部内では皆がエーリッヒを畏れている。おそらくは宇宙艦隊司令部でも同様だろう。まあウチは今微妙な立場にあるからな、侮られるよりはましな筈だ。

さて、この後はイゼルローン要塞に帰還か。ミュッケンベルガー元帥は今頃何を考えているかな。シュターデンの更迭か、それとも俺達が全滅してくれればとでも思っているか……。

あの二人、元帥にどう説明したのだろう……。自業自得ではあるが多少は気の毒だな。まあこれであの二人も理解しただろう。エーリッヒに喧嘩を売る事は止める事だ、碌なことにならないからな。



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