第二話 余計なことはするんじゃない
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多いのだ。ラインハルトがいない所為だな、その影響がここで出ている。ミュッケンベルガーも頭が痛いだろう、あまりに劣勢だと遠征軍の士気にも関わる。さて、どうなるかな……。
帝国暦 485年 10月 13日 オストファーレン ヘルマン・フォン・リューネブルク
厄介な事になった。シェーンコップが俺を挑発している。強襲揚陸艦で敵艦に接触、乗り込んで占拠すると通信装置で俺を名指しで呼び出すのだ。ヴァレンシュタイン参謀長は気にするなとは言っているが、周りの俺を見る眼は決して好意的なものではない。
今俺はオストファーレンの艦橋に向かっている。宇宙艦隊司令部からオストファーレンに通信が入った。俺を呼べと言っているらしい。多分この件についてだろう。嫌な予感がするが行かざるを得ない。
驚いた事に艦橋のスクリーンにはミュッケンベルガーは映っていなかった。シュターデン少将とオフレッサー上級大将が映っている。二人とも嫌な笑みを浮かべていた。益々嫌な予感がする。そしてグリンメルスハウゼン艦隊司令部の人間も皆が揃っていた。
「ヘルマン・フォン・リューネブルク、参上しました」
『うむ、リューネブルク少将、卿も反乱軍が聞くに堪えぬ悪罵を放って卿を呼び出している事は知っているな』
「はっ」
『聞けば彼らはローゼンリッターと呼ばれる裏切り者どもらしい』
『卿の昔の仲間だな、リューネブルク少将』
嫌な事を言うな、オフレッサー。こいつら二人一体何を話していた? 嫌な予感が益々募った。
『リューネブルク少将、宇宙艦隊司令部は反乱軍との戦いに総力を挙げて対応しようとしている。卿ならずとも、たかだか一少将の身上などにかかわってはおられんのだ。総司令官たる元帥閣下を悩ませるようなことは控えるべきではないかな』
「では小官にどうせよと仰いますか」
シュターデンが嫌な笑みを頬に浮かべチラっとヴァレンシュタインに視線を向けた。なるほど、シュターデンの真の狙いは先日の会議の意趣返しか。俺とヴァレンシュタインが親しいとみているのだ。そしてオフレッサーは俺を危険視している。手を組んでこちらを痛めつけようというわけらしい。
『知れた事だろう。卿自身の不名誉、卿自身の力を以て晴らすべきであろう』
「なるほど……」
俺はこの艦隊の弱点と見られている、これまでか…。
突然クスクスと笑い声が聞こえた。ヴァレンシュタインがいかにも可笑しいといった表情で笑っている。
『何が可笑しい!』
シュターデンが怒声を上げたがヴァレンシュタインは可笑しそうに笑うのを止めようとしない。
「いえ、この程度の挑発でおたおたするとは宇宙艦隊司令部も頼りにならない、そう思ったのですよ」
艦橋が凍りついた。皆が信じられないといった表情でヴァレンシュタイン
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