第三十八話 紅に染まる雪
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どちらをとっても殺されるという恐怖に脅え、一人の兵士はシールドを正面に構えビームサーベルを持ちながら突撃していく。
「抵抗したって無駄死にするだけだっていうのに!!」
無手の状態になっていた左手を突き出し、相手のビームサーベルを翳めるように躱し、逆にパルマフィオキーナによってシールドごと敵は撃墜される。機体の爆発を通り過ぎ、戻ってきた投げたビームブーメランを左手で受け止めて肩に戻す。
『たった一機に、何を手こずっているんだ!?』
拠点防衛のゲルズゲー部隊の三機がデスティニーにむかってビームを乱射する。しかし、それを後ろに目があるかのように見切り、そのまま動きを止めずに流れるようにビームの弾幕を回避しながら近づいていき、光の翼の出力を上げて加速する。
『こいつ、まだ速く!?』
『幻影が!本物はッ!?』
加速したことによって光の翼から現れる幻影に翻弄される。ゲルズゲーはまともに迎撃することも出来ずに陽電子リフレクターで敵を防御しようとする(ビームシールドすら敗れるビームブーメラン等に殆ど意味を成すとは思えないが)。
『こんなはずじゃッ……おいッ!早く加勢してくれ!?』
デスティニーはそのまま右手に持ったビームブーメランを上に投げ、背面からアロンダイトを取り出し、中央に居たゲルズゲーを一瞬の抵抗すらさせずにアロンダイトで一気に断った。
「これっでェ―――!」
そして上に投げたビームブーメランと肩に取り付けていたビームブーメランを展開し直し、左右に向かって投げつける。残った二機のゲルズゲーに向かっていき、片方は胴体をそのまま裂かれ、もう一機は下半身の多脚部に突き刺さり、爆発した。
そうして生まれる一瞬の空白――――――シンはそれを逃すことなく長距離ビーム砲を構え、ニーベルングの中心部にあるビームの照射装置を狙い、撃ち抜いた。
『そんな馬鹿な……!』
『嘘だろ……こうもあっさりと』
デスティニーの獅子奮迅の活躍は、まさにロゴス側の兵士たちから脅威でしかなかった。シンはすぐさまアスラン達に破壊したことを伝え、アスランはミネルバやラー・カイラムにそれを伝える。デュランダル議長はそれを聞いてすぐに本命の降下部隊を降下させた。
シンも降下部隊を支援するために残っている僅かな対空砲や迎撃しているMSを撃ち落としていく。内陸への侵入を果たしたことによって戦況は傾き始めていた。
◇
「フン、甘いなッ!」
陽電子リフレクターを展開させて防御に回っていたザムザザーに対し、一気に距離を詰めてヒート・ランスで貫く。戦いを有利に運ぶために大型MAを中心に狩っていたのだが、既に近くの海岸線沿いには敵MAはいなくなっていた。
『死ねェェ―――!コーディネーター!!』
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