第四話、未来の記憶
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ス。さて、ラウルとフェイトの報告によれば、ヘルメスが持っていた魔導書が、碧天の魔術書で間違いないらしいわ。それと、先週くらいに発掘されたと言われている願いを叶える石…ジュエルシードがヘルメスによってばら撒かれた……正直、なぜヘルメスがラウルの一族、フェルナンデス家の魔術書を持っているのか疑問なのだけど、問題はそこじゃない。どうやって、ヘルメスが提示してきたゲームに勝利するかよ」
「確か、散らばった21個のジュエルシードを先に集めたほうが勝ちっていうルールだったね」
アルフの言葉に頷いて、椅子に座りながらリニスが続けた。
「ジュエルシードが落ちた場所は、第97管理外世界、地球と言われるところです」
「そこに魔法文化はあるのかしら?」
プレシアの問いかけに、リニスを首を横に振った。
「なにせ管理外世界ですからね。魔法文化があったなら、管理局が真っ先につっかかっていってるはずです」
「なるほどね。なら、捜索は比較的楽になるわね…」
「でも、楽になるのはあっちも同じなんだろう?なら、早く地球とやらに向かったほうがいいんじゃないのかい?」
アルフの指摘に、頷きを返してプレシアは立ち上がった。
「明後日、アルフとフェイトとラウルに地球に向かってもらうわ。フェイトにはアルフが伝えておいてちょうだい」
「分かったよ」
「リニスは私と待機ね。魔法文化のない世界に、ポットの中に入っているアリシアを連れて行くわけにはいかないわ」
「了解しました」
「じゃあ、おやすみなさい」
そう言って、プレシアはリビングを後にした。
「ラウル、大丈夫?」
「ああ、大丈夫だよ」
心配そうに問いかけて来るフェイトに向かって、俺は笑みを浮かべた。
「……私、薬とってくるね」
「ああ、頼む」
パタパタと小走りに部屋から出て行ったフェイトから視線を逸らして、俺はベッドに倒れこんだ。
「…ぐっ…ぅ…」
朝から感じていた頭痛がどうやらピークを迎えたようだった。
ガンガンと鳴る早鐘のように痛みの波は次々に襲って来る。頭を抱えながら、俺は原因を考えた。
この手の頭痛は今に始まったことではない。そう、それこそフェイトと出会ったその日から始まっていた。けど、最近、特にウンディーネに抜刀の条件を聞いたときから酷くなっていった気がする。だが、そのウンディーネとの会話が頭痛の直接の原因となっているかはまだ分からない。だが、手がかりになりそうなことは、これくらいか。
あの時ウンディーネは確か、俺には思い出さなくてはならないことがあると言っていた。一体なにを思い出せというのだろうか。記憶は、俺が時の庭園にまで倒
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