マザーズロザリオ編
episode3 宙を舞う
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で深々と溜め息をつきつつ、苦笑する。
送り主は、シウネー。そのメッセには真っ先に、目出度く彼女らが七人でのボス討伐に成功したことが書かれていた。そしてお世辞か社交辞令か、俺への感謝も。そして結びに示されているのは、これからの打ち上げにこないか、とのお誘い。
文面を見る限り、彼女らは『ラッシー』が余計なことをしていたことに気付いてはいなかったようだった。……それだと呼ばれる理由が薄いような気もするのだが、武器の面倒の件だけでも呼びたかったのか。
……しかし。
「これはねえよな……」
シウネーさん、ちょっとは空気読んでくれ。
そこはどう考えても、アスナ達とワンパーティー水入らずで楽しむところだろう。俺が行って場が持つ訳ないし、なによりアスナ達……『勇者一行』には、わけあって関わらないようにしているのだ。丁重にお断りする旨をお伝えする。
と。
「おやっ? シドくん、なんだか楽しそうですねっ?」
ふらふらとレミの部屋から飛んできたチビソラが、目ざとく俺を見つけて飛んでくる。やけにお気に入りらしい俺の燈赤色の髪の上をひらひらと舞った後にぽてんと着地、ぺちぺちと頭をはたきだす。なんだなんだ、お前も随分上機嫌だな?
「ま、そうだな。大きな商談がまとまったみたいな感じ、か?」
「なーんだっ。てっきり彼女からメールかと思ったよっ! なんか、一仕事……イッパツやり遂げたーっ! みたいな感じだしっ!」
うっ。まだ根に持ってんのか。っていうか、結構当たってるぞ、おそるべしチビソラ。
そんなわけねえよと誤魔化しつつ、苦笑する。
――― やり遂げた。
そう、俺は、やり遂げた。
一応、ある程度には、俺は役に立てただろう。
ある程度の満足感のもって、俺は返事のメールを打ち出す。丁重なお断りと、「対価、第一回支払い分確かに頂きました。引き続きの振り込みを期待しています」の言葉を添えての、ユウキ達に対する心からの祝福の言葉。
……この時俺は、このあとユウキがこのALOから消えるなど、思ってもいなかった。
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