第三十七話 雪原の烽火
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デストロイが現れてから戦局は一気に動き出す。同時に現れた五機のデストロイ。それに向かってビームやミサイル、バズーカが放たれていくがその総てがまともに通用しない。
『くそ、なんて化け物だ!?』
『に、逃げろッ!?』
デストロイのアウフプラール・ドライツェーンが猛威を奮う。最前線の艦隊が一気に薙ぎ払われ、空中にいるMSや戦闘機部隊も次々と落とされていく。
結果、部隊の連携は次第に崩れていき、水中での戦いもロゴス有利に進み始める。フォビドゥンヴォーテクスによってグーンやゾノが呆気なく落とされていく。
「ハハハ!どうですか!所詮ザフトも寝返った連合の部隊もこの程度のものなんですよ?」
「まさかアレを量産していたとはの―――」
「驚きじゃわい。だが、痛快じゃのう。儂らを落としれた罰じゃ」
ロゴスの面々は大量に落とされていく敵を見て嗤う。しかし、その場に欠けている人物がいた。防衛を主張したブルーノ・アズラエルである。
「―――それにしても、いざというときの為に脱出用のモノを用意するなどと……ましてやそれを私だけに教えるとはどういうつもりだ?」
ジブリールは小声でそう呟きながら思案する。ジブリールとアズラエルは意見の対立含め、仲が良好とは言い難い。そんな相手に態々脱出の準備をしていると知らせるなど、勝った際に付け入らせる隙を作るだけではないだろうか?
無論、危険になった際に中心人物であるジブリールが知っているべきだろうなどと言い訳はいくらでも利くが。何にせよ、十分な戦力がある以上、こちらの敗北はありえない。とばかりにジブリールはあざ嗤っていた。
◇
アズラエルが用意していた脱出用のシャトルの一つに一機のMSが運ばれていた。例の青い機体である。一般的なサイズのMSとはいえ、シャトルに詰め込むのは一機が限界だった。
「しかし、この戦いで出さなくて本当によろしいのですか?」
「当たり前だ。ここにはこれをまともに扱えるパイロットなどいないのだからな。そんなMS一機の介入で戦局が変わるなら、デストロイだけで決着がつくことだろうよ」
このMSは宇宙での切札だと言ってシャトルへの詰め込みを急がせる。このシャトル自体は大型のマスドライバーが無くとも宇宙に上がることの出来るものだ。囮としてシャトルに偽装させた飛行艇や本命だと思わせるための潜水艦も用意させている。実際にどれを本命として使うのかは彼自身も戦局を見て判断するしかない。
しかし、ここまで念入りに用意しておいてなんだが、アズラエル自身もヘブンズベースが落とされるとは思っていない。あのベルリンの惨劇を起こしたデストロイが五機もいるのだ。ザフトのエースと言われるミネルバの部隊ですらかなりの苦戦を強いられていた。
「とはいえ、こ
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