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戦場のヴァルキュリア 第二次ガリア戦役黙秘録
第1部 甦る英雄の影
第1章 人狼部隊
焔に踊るモノ
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のだ」

「では、クラーケン作戦の件は……」

「よい、赦す。しかし投入するのは半分までだ。……エラガバル、貴様はクローデンの補給基地に行きトリスタンを用いてガリア軍の大隊を撃滅しろ」

 エラガバルと呼ばれた青年は頭を垂れる。アルベリヒは軽く一礼して部屋を出た。エラガバルも後に続き、残ったのはアナスタシアと、その斜め後ろで佇むモーニング姿の黒髪の人物だけだ。

「よろしいのですか、アナスタシア殿下」

「何がだ」

「ファウゼン攻略を諦めることです」

「構わぬ。ダルクス人のたかだか百人や二百人を殺したところで戦意高揚にはならぬ。ガリア人の兵を百人殺した方が良い。そもそも、東方の永久凍土から採れるラグナイトがあればあのような山の一つ、くれてやる」

「皇帝陛下に説明は?」

「あの無能がそれを理解できるものか。余の配下が理解できておれば良い……小腹が空いた。茶を」

 執事は恭しく礼をして、部屋を後にした。アナスタシアは玉座からヨーロッパの地図を見下ろし、思索に耽る。その顔に感情はなく、仮面を被っているようであった。
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