キャリバー編
百二十八話 霜の巨人の王
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のダガーが、アウィンのクローが、リーファの長剣が、次々にスリュムの脚を切り裂き、リズのメイスガ明らかに小指をガチ狙いしている。
リョウの冷裂は脚の鎧ごと脛をぶった切り、その進路をキリトの剣が高速のソードスキルを撃っていると言うのが信じられないスピードと正確さで切り裂き、いつの間にかワンドから持ちかえたらしいアスナが更に続ける。
「ぐ……ぬ、むぅ……」
流石にトールと合わせたこのコンボはきついのか、たじろいだような声を上げたスリュムを狙うように、後ろからレコンの声が響いた。
「皆さん、行きます!!」
「おう!!」
「分かった!一旦みんな離脱だ!!」
「やったれレコン!!」
男どもが声援を送る後ろで、リーファはレコンが構えている者を見た。
それは先程と同じ、雷撃の槍だしかし……
「違う……?」
つい先ほど見た物とは、それは大きく異なる部分が有った。
見るからに、それが金属の騎士槍の形をしていたのだ。
全体からバチバチと紫電をほとばしらせるそれは確かにレコンの最大魔法である《ランス・オブ・オーディン》なのだが、つい先ほど見た物は見た目はどちらかと言えば光の槍。と言った様相で、槍と言うよりエネルギーの塊とみた方が表現としては正しかった。
しかし今見えるそれは、細かな装飾と明らかな金属の光沢が見て取れ、其処に有る質量すら感じそうな程である。
さて、此処で前回に引き続き、伝説級魔法の説明をさせていただこう。
伝説級魔法は確かに強力な魔法だが、実を言うとその効力は、威力は術者の錬度(プレイヤースキルの方だ)によって大きく違う。
と言うのも、伝説級魔法の詠唱を完全に行った場合、そのワード数は確認されている限り実に300〜500代と言う、アホかと言いたくなるようなワード数に上る。
ちなみに、レコンの《ランス・オブ・オーディン》は、総計で348ワードだ。これでもまだ短い方だと言うのだから頭が痛くなる。
その為、伝説級魔法には威力を犠牲にして詠唱を一定のレベルで短くし、其処で詠唱を止めても術が発動すると言うシステムが導入されている。ちなみに先程放たれた《ランス・オブ・オーディン》は、大体75ワード。あれだけの威力を持ちながら、全体の実に四分の一以下である。
と言うかエギルの友人の制作側曰く、どうやらこのスペルは制作陣が半分ノリで制作した「本来フル詠唱では発動不能な魔法」らしい。
この事はネット上でも周知なので、今現在伝説級魔法を撃てる者の中でも、フルで詠唱し、発動する者等“居ない”のだ。
──否、居ない筈だった。と言うべきか──
「はぁぁっ!」
レコンの持った雷撃の巨大な槍が、やり投げの要領で発射され、スリュムの腹部を無数の雷と共に貫いた。
「ぬぐぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!?」
「おぉ
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