キャリバー編
百二十八話 霜の巨人の王
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したように言った。
そう、それはこれまでの巨人たちと比べても、圧倒的に巨大な体躯を持った一体の巨人だった。
と言うか、一目見ただけでそれまでの巨人たちと比べるのもばかばかしくなる。倍以上とかそんな物では無い。そもそも下から見上げただけでは、一体何メートルの体躯を持っているのかすらわからないレベルだ。
肌は鈍い青。脚や腕に巨大な獣の皮を巻いて居るのだが、あれはいったいどんな獣から剥いだのだろうか……
上半身はそのたくましい筋肉を見せつけるように裸だが、下半身は流石に巨大な板金鎧を付けている。と言うかアレもどれだけデカイ炉で打ったのやら……
「リズ、お前あの鎧作れる?」
「その冗談面白くないわよ」
「そりゃ失敬」
上半身の上に乗った頭は長いひげが有るが、目の辺りは最早ライティングが届かないはんいに有る為影になって見えない。
「ふっ、ふっ……アルヴへイムの羽虫共が、ウルズにそそのかされてこんな所まで潜り込んだか。どうだ?いと小さき者どもよ、あの女の居所を教えれば、この部屋の黄金を持てるだけ呉れてやるぞ?ンンー?」
この尊大な台詞と、頭の上に見える金ぴかの王冠を見るに、この巨大な巨人(表現としてはあれだが)がスリュムで有る事は間違いないだろう。
と、スリュムの言葉に、真っ先にクラインが返した。
「へっ!武士は喰わねど高笑いってなぁ!俺様がそんな安っぽい誘いにホイホイ乗ってたまるかよォ!!」
ちなみに、クラインが言うことわざは元々《武士は食わねど高楊枝》と言うことわざで、武士は名誉を重んじ、貧しく空腹でも満腹であるかのように楊枝を使って見せる。つまり、気位を高く見せる。と言う意味だ。ちなみにこれは、やせ我慢、三重を張っているという意味でもある。
クラインは先程宝の山を見た際にフラリと脚がそちらに向きかけていたので、このことわざの使い方は的確であると言えよう。
さて、クラインが言いながら刀をカン高い音を立てて引き抜いたのと同時に、他のメンバーも次々に各々の武器を構える。
スリュムはそれらを睥睨するように見回すと、ふと全員の後方に居る、フレイヤに目を向けた。
「ほぉ?其処におわすはフレイヤどのではないか。檻から出て来たという事は……ふむ、わしの花嫁になる決心が付いたのかな?ン?」
「は、花嫁だぁ!!?」
スリュムの言葉に、半ば裏声で言ったクラインの声はスリュムの言語モジュールに反応する対象と捕えられたらしく……
「そうとも。その娘は、我が嫁としてこの城に輿入れしたのだ。だが宴の前の晩に儂の宝物庫を嗅ぎ回ろうとしたのでなぁ、仕置きに獄へつないでおいたと言う訳だ。ふっ、ふっ、ふっ」
ふーん、成程。とリョウは納得した。
確かこのフレイヤと言うキャラはパーティに入る際、「盗まれた一族の宝を取り返しに来た」とか
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