キャリバー編
百二十八話 霜の巨人の王
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さて、それからしばらくして、リョウ達13人は、既に第四層にまで突入していた。と、此処で少し訂正なのだが、現時点でパーティメンバーは13から14人に増えていた。
と言うのも、彼等の後ろに一人。先程までメンバーには居なかった、ゴールドブラウンの髪に、アイリ以上の胸を持つ超絶美人の女性が付いて来ていたからだ。
女性は名をフレイヤ。先程この第四層の中に突入した際に、氷の檻の中に幽閉されており、自分を助けて欲しいと懇願してきたのを、皆が罠だと反対するなか、クラインが強硬に彼女を檻から出してしまったのである。
なんでも、彼に曰く「それが俺の生きざま──武士道って奴なんだよォ!!!」だそうだ。成程、凄まじく格好良い。同時に凄まじくアホでは有るが。
さて、そんなこんなで第四層を進んでくと、ひときわ周囲の装飾の細かい、ゲームデータとして重そうな雰囲気の通路に出る。その影響か空気が重く感じ、より雰囲気的な演出になっていた。
「アインクラッドもそうだけど、相変わらずボス部屋近くは無駄にマップデータ重いのよね」
「そうなのですか?」
「うん。空気も重いから、あんまりボス部屋の近くに長居したいって思った事は無いんだ」
アウィンの呟きに聞いたヒョウセツに、アスナが答えた。
「てかお前はボス部屋行った事ねぇのかよ?」
「いえ、確かに何度かレべリング用のダンジョン等に行った際にボス戦はしましたが、それ程多くは……」
「あ、私とおんなじ。私もね、まだALO来てからボスにあんまり参加した事無いんだ〜」
のんびりとした口調でそんな事を言うアイリに、ヒョウセツは驚いたように言った。
「それは……驚きました、アイリさんは、てっきりベテランの方かと」
「え?どうして?」
「いえ、動きにとてもキレが有りましたし、剣の扱いもとても慣れてらっしゃるようだったので……」
「あははは。それはね、私がずーっと剣使って他のVRMMOでも闘ってるからだと思うよ?それに私のお母さんの実家、凄ーく古い歴史の有る流派の剣道場なんだ。子供のころから剣道やってたから、剣使って体動かすのは慣れてるの」
笑いながらアイリがそう言うと、シノンが意外そうに聞いた。
「へぇ……それ、初めて聞いたわね」
「あれ?言って無かったっけ?GGOに行ったのもね、その前にやってた格闘系のMMOで、銃剣使ってる人に負けちゃって、それで遠距離系の武器が面白そうって思ったからなんだよ?」
「けど、スタイルは変えられずに……」
「光剣使いになっちゃったのです」
えへへ……と笑うアイリに、シノンは呆れたように溜息をついた後、小さく微笑んだ。
「って、それ言うならシノンも人の事言えないわよね〜、アタシがいっくら言っても弓で狙撃してるんだし」
二ヤッと笑って言ったリズに、シノンは苦笑して
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