エロス三人集
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すっかり空っぽになった弁当箱を鞄に入れ、再び学校に向かうのである。
クロは弁当を平らげると俺の足元に身を擦り付けて何処かへと行ってしまった。
時間はまだ余裕があるが、少し早歩きで行く事にした。
学校に着き、途中、クラスメイトに挨拶しながら窓際の前から二番目の席に鞄を置く。
元女子高でもある駒王学園、最近共学になった為に男子生徒の数は少ない。
若干の居心地の悪さはあれどもうちのクラスはそれなりに男女の比率は悪くない。
そんな中で平然と男子高校生らしい会話をする男達がいた。
松田、元浜、兵藤の三人である。
朝からエロ本を広げて猥談をする三人のお陰で俺は居心地の悪さが更に上がった気がした。
「全くあいつらは…」
目の前に座っている腰まで伸ばしたプラチナブロンドの女子生徒、銀子・T・ラミアウィンダムは嘆息した。
その大きな蒼い眼に綺麗なプラチナブロンドの髪、きめ細やかな白い肌に少し肉厚な唇。
今は少し歪んでいるがコロコロ変わる表情は彼女の魅力を遺憾なく発揮している。
身体も全体的にバランスが取れており、同じクラスメイトの男子の何人かは告白しては振られたらしい。
そんな美少女は朝、何時も俺が座る席の前に座っている。
なんて事は無い、其処が彼女の席だからである。
眉間に皺を寄せる彼女を眺めながら、いつも通りに気持ち悪がられる三人と女子生徒の罵り合いを聞いていた。
学校が終わり、靴箱を開けると手紙が一通入っていた。
手紙を見ると可愛らしい文字で校舎裏へ来てと書かれていた。
差出人の名前は無く、また時間も指定されていない。
若干の思考の後、顔だけだす事にした。
俺だって高校生である。
イタズラだと頭の片隅で分かっていながらも微かな希望を抱いて校舎裏へと足を運ぶ。
校舎裏に一人の少女がいた。
見た事の無い生徒である。
相手は俺に気付くと嬉しそうに駆け寄って来た。
「き、来てくれたんだ。」
「あ、まぁ…一応…。」
気まずい空気が流れる。
イタズラだと思って来て見たら本当に居るとは思って無かった。
どうしていいか分からない…。
そんな事を考えていると彼女が口を開いた。
「あ、あの…好きですっ!付き合って下さい!」
思考がフリーズした。
目の前に居る少女は俺に何を言った?
好きですっ!
今迄言われた事がない台詞にどうしていいか分からず。
俺は…
「ごめん…。」
としか言えなかった。
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