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緋弾のアリア 一般高校での戦い
第6話 遠山家
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 爺ちゃんへの挨拶より先に、俺はそのロック歌手みたいな姿で家の前を掃除している疑問を口にしてしまう。
 なんてったって、あのエセ暴君っぷりを発揮したビデオを見ているのだ。
 大人しくこんなところで掃除をしてる姿を見て、驚かないはずがない。
「――おう、兄貴じゃねえか。そりゃこっちのセリフだぜ。俺はホームステイだ。かなめもやけに遅かったじゃねえか」
 だんだん分かってきたぞ。
 さっきから考えていたが……ジーサードの奴、監視してたな。米軍の偵察衛星とか通信傍受施設を借りて、俺を。
 壮絶な喧嘩別れをしたから、かなめからジーサードに連絡を取る可能性より、サードからかなめに連絡を取った確率の方が高いからな。
 それで、俺の転校をダシに仲直りして、サードが先に爺ちゃんの家を訪ねることになったのだろう。
 俺が推理できるとしたらこれが限界だな。これ以上の事が起きてても後で聞こう。
 とりあえず、サードの事は後回しにして爺ちゃんに、
「……ただいま」
 とだけ、言った。
「ん、よく帰った」
 爺ちゃんは……嬉しそうに、笑ってくれた。
 それだけで少し、帰ってきて良かったな、という気分になる。
 だが爺ちゃんはすぐ、
「――んー? この別嬪(べっぴん)さんはキンジのこれか?」
 などとレキに少し近づき、スケベな目つきで小指を立て、心底ハッピーそうにレキの顔を覗きこむ。
「いや、これは何というか勝手についてきちゃったんだけど……」
「んー、若い娘はいいのう。ウェヒヒ、ミントの香りじゃ、ミントちゃんと呼ぼう」
 俺にも遺伝したムダに鋭い嗅覚で、レキのニオイを少し遠くから嗅ぐ。
 そして少し真面目な顔になり、次はかなめの前に行く爺ちゃん。
 そのまま少しかなめを眺め、
「なるほどのう。そこで掃除しているバカ同様に、うちの緑者じゃな」
「爺ちゃん、よく分かるね……見ただけで」
「お前のこともじゃ、キンジ」
 にい、と、爺ちゃんは俺を褒めるように笑った。
「ずいぶん、男の顔になった。修羅場をくぐり、死線(しせん)を超えてきたか」
「……まあ、いろんな意味でだけどね」
 俺との話しが終わり、再びかなめに目を合わせ、
「――理由は聞かん。じゃが、お前はうちの緑者であることは間違えない。ならわしの可愛い孫じゃ。キンジ同様、ここに住め」
 かなめの頭に手を置いて、そう言う。
「お爺ちゃん……ありがとう」
 嬉しそうに、はにかむかなめ。
「良かったな、かなめ。俺以外にも家族が出来たじゃないか」
 と、なんとも言えない気持ちで、俺も隣にいるかなめに声をかけてやる。
「……うん。あたし変に緊張してバカみたいだったよ」
 いったい、どんな事を考えて緊張していたのだろうか。かなめは。
 ……なんてかなめと話していると、

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