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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
常盤台中学襲撃事件
Trick40_正真正銘の傑作だ
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信乃の言うとおり、立ちあがった男は黒妻が攻撃していた男だ。

攻撃が浅かったようで、数秒で意識を取り戻して立ちあがったようだ。

黒妻は信乃に指摘されてすぐに倒そうとしたが、それは封じられた。

「動くな!!」

「ヒャッ!」

「「!?」」

手に握られたナイフを向けたのは黒妻でも信乃でも白井でもない。

側で腰を抜かしていた少女、白井のクラスメイトでもあり、
信乃も顔見知りある湾内絹保であった。

駆動鎧は左腕を彼女の首に回し、ナイフを突き付ける。

  人質

敵を倒すうえで位置外が一番懸念していた問題。

それが今、目の前で発生してしまった。

「こいつがどうなってもいいのか?」

「ひ、卑怯ですわよ! 湾内さんを離しなさい!!」

「俺が相手になってやる!! 離せ!」

「ハハハハハ! 離せと言われて人質を話すバカがいるのかよ!」

白井と黒妻の言葉に気分を良くして高笑いした。

ただ一人だけ、その緊迫した状況で呑気に頭をポリポリと掻いていた男がいる。

「まったく、黒妻さんは詰めが甘いですね」

もちろん信乃である。

「信乃さん! そんなこと言っている場合ではありませんわ!」

「・・・わりぃな。俺のせいでせっかくの人質を取らせない作戦が・・・・・」

「別にいいですよ。見えない所で人質を取れば問題でしたけど、目の前であればね」

「あ? お前この状況が分かってんのか!?」

湾内へ更にナイフを近付けて脅そうとするが、


 ズゥン!!


信乃がA・Tで地面を強く踏み付けた。
周りには振動が広がる。



大地の道 (ガイア・ロード)

  Trick - The Trembling Tarth -



「ぐぁ!?」

石の振動でその場の全員が動けなくなった。

この(トリック)を発動させてしまえば、動けるのはごくわずか。
大地の道を走れる者か、攻略方法を実行できる上級者か。

駆動鎧の男はどちらにも当てはまらず、信乃はどちらにも当てはまる。

現状は信乃の独壇場になった。なるはずだった。

「問題ないんですよ、動けなくしてしまえばね。・・・え?」

信乃がとどめを刺すために一歩踏み出したが、それより早く動く影があった。

「女に手を出してんじゃねぇ!!!」

信乃以外が全員が動けない状況で、黒妻が拳を振り上げながら突進していった。

動けない敵はただの的。今度こそ黒妻の拳が意識をかり取った。

「黒妻さん・・・・・何で、動けるんですか?」

「ん? いや、別に最初は動けなかったけど・・・・

 なんか無理に動かしたら動けるようになった」

「・・・
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