第三十六話 止まらぬ歩み
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ミネルバのMSドックではラー・カイラムとミネルバ所属のMSの修理を進めていた。ラー・カイラムの整備士も駆り出され、大量の整備士がせわしなく動いていくなかヴィーノやヨウランは愚痴をこぼす。
「何で俺達こいつら修理してるんだ?」
「全くだぜ。折角の休暇だと思ったのに」
ミネルバのクルーの多くは休みを貰えていたが整備士達は機体の修理が完了するまで休むことが出来ないらしい。ジブラルタルといっても多くの連合軍などが協力を申し出たせいで、補給や修理は手が回り切っていないのだ。
とはいえ、そんなことを言われても納得がいくはずもなく、愚痴を零し続ける。
「お前ら、文句を言うのは構わんが作業を進めろよ。終わらせなかったら休憩なしだからな」
「「ゲッ!?」」
メカニックリーダーのエイブスにそう注意されて彼らは手を進める。
「それにしてもさ、シンはルナマリアと食事だぜ?絶対誘われてるよ、アイツ」
「しかもシンの奴、最近連合のあの可愛い娘とも一緒なんだろ?羨ましいな―――」
口を動かしながら手を動かすという作業はある意味整備士には必須だと言わんばかりに作業を遅らせることなく下世話な話を続ける。
「そう言えばアスランもラクス・クラインとの食事に行ったって話らしいぞ」
「マジで?畜生ゥ、いいなぁパイロットてやっぱモテるんだな……」
「つまらないこと言ってないで作業を進めたらどうだ?」
後ろから突然現れて二人に声を掛けてきたマーレに驚く二人。マーレは相変わらず不機嫌そうな様子だった。
「マ、マーレさん……」
「別に話をするなとは言わねえが、暇なら俺のゲルググの整備も頼んどいてやろうか」
「そ、それは勘弁してくださいよ!?」
「はあ、真面目にやってろよ」
そう言ってミネルバの自室に向かって歩いていくマーレ。姿が見えなくなったところで二人は息をつく。
「相変わらず不機嫌な時は怖いな―――」
「でも、何でミネルバに態々戻ってきたんだ?基地内に部屋を用意されてるだろ?」
「さあ?」
ともかく、これ以上怒られたくはないと思った二人は作業に戻っていった。
「それにしても今更ながらにミネルバからラー・カイラムの転属ね……」
マーレは一人そう口に出しながら、大した事でもないかと思いミネルバの部屋に置いてある荷物を纏める。元々大して荷物はないから手間はかからない。それを基地内で与えられた個室に持って行ってからラー・カイラムに運ぶ予定だ。
「ゲルググが運ばれちまった以上はあっちに行くっきゃ無いわけだけどな」
ミネルバから離れることに未練など微塵もない。そもそもラー・カイラムはミネルバと航行を共にする予定なのだから問題もあるまい。それに元々マーレの所属は
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