第一部
第四章 〜魏郡太守篇〜
三十四 〜ギョウ入り〜
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程度の差こそあれど、何らかの繋がりを持つ者が大多数、と見て良いだろう。
「歳三様。まずは、前太守の罪状のみ明らかにする、というのは如何でしょうか?」
「郭図らとの事と切り離す、という事か?」
「はい。それに、不正を糺すという事実、まずこれが成立します」
「そうすれば、庶人の皆さんが、お兄さんに対して好意を持つ事はあっても、悪意を持たれる事はないでしょうしねー」
「また、文官の不正は、芋づる式に一度にやらなければ、意味はありませんから」
稟の言う通りだ。
半端に行えば、蜥蜴の尻尾切りになりかねぬ。
「骨が折れる仕事だな。だが、やらねばなるまい」
二人は、頷く。
課題は山積、これらを片付けるだけでもどれほどの時を要するのか、見当もつかぬ。
……だが、全ては待ったなしだ。
「申し上げます!」
息を切らせながら、伝令の兵が駆け込んできた。
「何事だ?」
「はっ! 黒山賊が蜂起したとの知らせが!」
「……して、場所は?」
「韓馥様の本拠のすぐ傍との事にござります!」
思わず、二人と顔を見合わせた。
「……ご苦労だが、至急皆を集めてくれ」
「ははっ!」
腰を据えてギョウの大掃除と参りたいところだが、状況がそれを許さぬようだ。
だが、これしきの事で邪魔立てはさせぬ。
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