第三十五話 ジブラルタルの一時
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べきだとそう思ったからこそだ。
もう一つのDSSDに関してはもっと単純である。星を目指したい。子供のころからの夢の一つ。昔から追いかけていた今でも忘れられない夢。だからこそ、悩み考える。そうやって上の空で歩いていたせいで、誰かとぶつかる。
「すまない」
「ああ、気にすんな―――その制服ってことは連合軍か?」
「いいや、もう連合所属じゃないさ。ただの一般市民だ」
無表情に近いスウェンと、ぶつかった相手の不機嫌な表情。傍から見れば喧嘩でも起こっているのか思えてしまうような状況だが、別にそんなわけではないようだ。
「ま、気を付けろよ。俺もいつだって許すわけじゃねえんだ。他の誰かだったら許してないかもしれねえしな」
そう言って、大した関係にもならないとばかりに歩き去っていく男性。その様子を眺めながらスウェンはどちらを選択するべきか考え続ける。やがて、答えが出たのか片方の資料を袋にしまい込みもう一方を手に持ちながら歩き出した。
◇
複数人の連合開発者がヘブンズベースでデータを解析し、一機のMSを完成させようとしていた。
――――――デストロイのデータをベースに、カオス、ストライクシリーズのデータを取り入れて完成を進める。VPS装甲は電力を抑えるためか全体的に青色だ。デストロイがベースにも関わらずサイズは一般的なMSと大差がないことが見る限り最大の特徴と言えるだろう。
「全く、ジブリールの奴も無茶を言う。こんな機体の完成が間に合うっていうのか?」
一人の開発者が愚痴を零しながら作業を進める。確かに機体は基盤こそ完成しているように見えるがデータを見る限りでは殆ど未完成と言えた。
「幸いなのは開発するための基礎基盤はデータ上では完成してるってことかね?核動力だからデストロイのようにエネルギー切れの心配もないしな」
「だがパイロットは誰なんだ?ファントムペインでも優秀な奴らはこぞって宇宙にいるって聞いたが……」
ネオの部隊もダナとエミリオの二人も既に宇宙に上がっている。スウェンの部隊も壊滅した。故にこの機体の機体に相応するようなパイロットはいないのではないのかと一人の開発者は懸念する。
「どうもこの機体は他のエクステンデットを乗せるらしいぞ。元々のコンセプトが技量の劣る部品でも自在に動かせるっていうことだからな」
部品とエクステンデットの事をそういう彼等は気にした様子もなく作業を進める。
――――――ヘブンズベースの死闘まであと数日――――――
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