第三十五話 ジブラルタルの一時
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のビームに溶かされてないんだって話だろ?」
「え、ああ―――なるほど、確かに」
本当に技術畑出身か?と茶化しながらクラウは仕事に戻る。シンのデスティニーには特殊性の高い装備がされており、当然ながらクラウが推測したNT専用の武装が施されている。
バイオセンサーと呼ばれる機体のコントロールシステムの補佐を行う機能を有する種類のデバイスを取り付けることで機体を直接操作する事が無くとも部分的な動作を行わせる事が出来る。装甲に関しても特殊な装甲を施しており、バイオセンサーと連動させる事によって、理論上はパイロットの思考を直接機体に反映させる事が出来ると言われている。
更に冷却システムであるMEPE=金属剥離効果を取り付けており、ただでさえ出力が高くオーバーヒートする可能性のあるデスティニーの欠点を取り除いていた。尤も、言うまでもなくクラウ自身の本来の目的は違うものだが。
「ともかく完成を急がせないとね。ヘブンズベースに間に合わなかったら全部無意味になるんだからな……」
ついでに言えばこれはハイネの機体も同様なのだが、光の翼の出力は自由に調節できるようになっている。クラウ曰く、自身の速度にあわせた調整をその場で最善にする為らしい。もっともらしい事を言っているし、メリットがあるのも確かだが、そういうのは普通は技術屋の仕事である。
一方でハイネの機体にも専用の調整が施されている。近接戦での能力が高い為、収束ビーム砲の代わりにジャイアント・ガトリングガンを装備していた。弾薬の種類は戦場によって実弾、ビーム、ハーフの三タイプに切り替え可能だ。
「主任!この調子だとセイバーは間に合うかわかりませんよ!」
「仕方ないな……そっちに行くからデスティニーとレジェンドの作業は続けていてくれ」
そう頭を掻きながらクラウはセイバーの方に向かっていく。セイバーの改造は主に近接戦における武装面のカバーだ。動力面においてデスティニー、レジェンド同様の改造を施すには時間が足りない。
銃火器に関してもビーム兵器はエネルギーの問題が、実弾系統はあまり多く積むと持ち前の機動力を殺す結果になるので今回の改造では見送られている。
「カオスのデータよりもイージスのデータを参考にしておきなよ。あれの実戦データは二年前とはいえ本人が乗ってたんだから」
主な改造は脚部の先端にビームサーベルを取り付ける事と、これまで使っていたビームサーベルの連結、翼に回収したガイアのビームブレイド、そしてシールドにビームクローだ。ヴァジュラビームサーベルは性能的には申し分ないのだが、アスランの実戦データを見る限り好んでビームサーベルを使っている例は多く、射撃武装の充実よりも格闘系統の強化の方が良いだろう。
脚のサーベルの形状はカオスと変わりなく、威力もヴァジュラビームサー
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