第三十五話 ジブラルタルの一時
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思うが完成していない。その状態でデータを調整したりしても大した成果は得られないよ。その上で―――ミネルバのクルーは今日まで戦い抜いてきて精神的にも疲れが出ているはずだ。それはシンだって例外じゃない。そんな中でルナマリアが折角誘ってくれた食事に行かないなんて……男として、いや人としてどうかと思うぞ」
そうやって長々説明すると流石のシンも折れて、ルナマリアに謝って一緒にいってくる事になった。シンはせめてルナマリアの好意に気付いてくれたら良いんだが。その上で相手の好意に対応するならともかく、何も気付かないままに振られると言うのは可哀想過ぎる。あくまでも個人的な意見だが。
そんな馬鹿らしい恋愛事情を考えながら、クラウは完全に徹夜になるであろう仕事をこなす為にMS格納庫へと戻っていくのだった。これ以上長い事放置していたら逃げられたと思われて、余計拘束される時間が延びるだろうと思いつつ。
◇
クラウ・ハーケンはシンの説得を終えた後、格納庫でMSの完成を急いでいた。セイバーも搬入されており、四機のMSには多くの技術者が忙しなく動いている。
「一番進んでいたレジェンドに関してはどうなっている?」
「レジェンドの武装も第二段階までは取り付け完了しました。第三段階のドラグーンの装備も現在取り付け中です」
レジェンドの背面部分のドラグーンは円形の周りについている突出した部分だけでなく、円形部分そのものにも取り付けられている。その形自体は平たい形をしている為、邪魔にはなっていない。腰部にもフリーダムのレール砲のような形をしたものが取り付けられているが、おそらくこれもドラグーンの一種なのだろう。
クラウはドラグーンを増やした事による地上での空戦能力の低下を防ぐ為に脚部スラスターにも大幅な強化を施していた。
「デスティニーの方は?二人にあわせた強化が必要な以上、手間はよりかかるよ!」
元々はある程度生産される予定だった機体だが、ワンオフ機に近い形で仕上げた事によって、その手間とコストの関係上からシンとハイネの専用機として事になっていた。これはクラウの責任というよりはデスティニーの製作者に問題があったと言えるだろう。
「武装面に関してはアロンダイトの問題点であったビームサーベルとの相性の悪さは、対ビームコーティングを部分的に施す事で解消されたかと……しかし、これではアロンダイトのビーム自身も弾いてしまうのでは?」
「発想を変えてみれば簡単だろう?アロンダイトの層を二重にしておけばいいんだよ。普通にビームを展開する部分の下の層に対ビームコーティングを施せば問題ないんだよ……大体、対ビームコーティングって言っても当たってもいないビームを弾くなんて事はないんだから。ビームが当たってるならそれこそ何で対艦刀自身は自分
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