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インフィニット・ア・ライブ
幕間「過去」
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を示すために見開いていた目に映ったのは、自分達が死ぬ場面ではなく、空から落ちてきた狼を模した頭部と所々が黄金の暗闇の中でも漆黒の輝きを放つ鎧を纏った人物が、手にした剣で悪魔を切り裂いた場面だった。
 切り裂かれた悪魔は煙のように消滅をした。

「チッ!間に合わなかったか」
『悔やむのは後ですわ!【十二の弾ユッド・ベート】の力が上手く発動したこと自体が、奇跡ですし』
「ああ!今は、守れる命がある。それを守ってみせる」

 狼の騎士の悔やむ声に、騎士の影から女性の声が響いて応えた。

SHAAAAAAAAAAAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaAAAAAAAAAAAAA!!

邪魔をしただけでなく、同朋を斬られた恨みの呪詛を撒き散らすように、悪魔達は狼の騎士へと殺到する。
 騎士は臆することなく、重厚な鎧を纏っているとは思えない程の軽いフットワークで追撃を躱し、隙を見ては切り裂いていく。

「そういや、鎧が黒に戻ったんだが」
『恐らく、【十二の弾ユッド・ベート】の影響ですわね。装着したまま跳びましたので、全てがまだ跳び終えていないからだと考えますわ』

〈貴様ァ、何者だ!?〉
〈なぜ、我々の邪魔をする!?〉

 数を減らしていく悪魔達が、自分達と相対する狼の騎士がただの人間ではないことを確信し、怯えた様子を見せながらも威嚇するように声にならない声を張り上げる。

「通りすがりの悪の敵だ。別の用事があって来たんだが、俺の手の届く範囲で失われる命を見過ごすことはできないんでね」

 狼の騎士はオカルトチックな意匠のライターを取り出して緑色の火を灯すと、それで剣を炙り、炎を剣に纏わせる。

「ハアッ!」

 その剣を十字に振ると、軌跡に炎が残り、剣を握った拳を突き出すことで、前方の悪魔達を燃やし、上空へと跳んだ狼の騎士の鎧にその炎が纏われる。
 全身に緑の炎を灯しながら、とうとう最後の一体を切り裂く。

GYAAAAAAAAAaaaaaaaaaaAAAAAAAA!!

 耳障りな断末魔を残し、悪魔は消滅した。

ガシャン、ガシャン……

 鎧を鳴らしながら、狼の騎士は三人の元へ歩み寄る。
 その際、漆黒だった鎧の部分は剥がれ落ち、その下から黄金の輝きが溢れ、やがて全身に広がり、その姿は闇を切り裂く一筋の希望の光を彷彿させる黄金の騎士へと変わった。

「無事か?」
「は、はい!」
「あ、あの、助けてくれてありがとうございます!」

 三人の無事を確かめた狼の騎士は鎧が解けるが、その顔は暗がりの中のため三人は見ることはできなかった。

「礼には及ばない。ちょっと待ってろ」

 安心させるように三人の頭をなでた人物は、暗闇でも映える白いコートの懐から花びらを模した金の髪飾りと
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