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インフィニット・ア・ライブ
幕間「過去」
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『……ア、………………ia……阿…………………』

 かすかに覚醒した意識の中、朧気に複数の声が耳に入って来る。
 次いで、自分の現状に気付く。

「何、これ……?」

 視界に映る情報から、どこかの海岸に自分、否、自分達が寝ていたことに気付く。

「お兄!?」

 そして、隣には自分の兄がいたため、慌てて駆け寄って声を掛ける。

「う、ん?…ここは?」

 一瞬、自分の肉親がすでに故人になっているんじゃないか、と不安になったが、その心配は杞憂であったようだ。
 周りを見渡すと、自分と同じように目が覚めた人が他の人を起こしていた。

「さっきから聞こえるこの変な呪文みたいなのは何だ?それにどこなんだ、ここは?」
「分かんないよ。あたし達、買い物の途中だったよね?」
「ああ。誘拐されたっぽいが、何が目的なんだ?」

 自分達が無事なこと以外は何も分からない状況に兄妹は困惑するしかなかった。

『hug……………!!………ル゙………!!……………ゐ亞…亞!!』

 どこからともなく響く謎の集団の声は、ピークに達したのかテンポが高くなった。

「おい!あれを見ろ!!」
「な!?太陽が!?」

 空を見上げ、異変に気付いた誰かの言葉につられて顔を上げると、そこには太陽に黒い影が差していた。

「……日食?…グ!アアアアアアアアアアアァァァァァァァアアアアアアアア!!」
「おい、どうし!?アアアアアアアアアアアァァァァァアアアアアアアア!!」

 突如、地面に血を塗りたくったような紅い亀裂が走ると同時に、そこにいた人々には例えようのない激痛が走るのだった。
 それは、とある兄妹も例外ではなかった。

「グウウウ!お兄」
「諦めるな!アアアアア!!」

 幾人かの体に地面と同じようなヒビが生まれ、人の体が砕けるとその中から黒い悪魔のような生物が出てきた。

「あ…あ!?俺達も、ああなるのか……」
「いやあああああああ!!」

 周りの人々も次々と悪魔のような怪物へと変貌し、とうとう残ったのは兄妹と一人の少女だけになってしまった。

〈さあ、お前らも絶望しろ!〉
〈絶望して、俺達を産み出せ!〉

 頭の中に直接、悪魔の声が響き渡り三人をさらに追い詰める。

「諦めない!私は、何があっても!?」
「ック!そうだ!誰が、お前らなんかの言いなりになるか!!」
「最後の瞬間まで、希望を捨てない!」

〈強情な!〉
〈だったら、死の恐怖で絶望させてやる!〉

 粘る三人を弄ぶのに飽きたのか、悪魔の集団が手っ取り早く死の恐怖で絶望させるために三人に迫る。

「オオオオオオオオオオオオォォォォォォォォオオオオオオオオオ!!」

 せめて、最後まで抵抗する意思
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