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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第135話】
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「はい」


手を上げたのはセシリアだった。

表情はいつもの十代女子の表情ではなく、真剣そのものだった。


「目標ISの詳細なスペックデータを要求します」


「わかった。ただし、これらは二ヵ国の最重要軍事機密だ。けして口外はするな。情報が漏洩した場合、諸君には査問委員会による裁判と最低でも二年の監視がつけられる」

「了解しました」


そう返事をしたセシリア――目の前のディスプレイと机に備わった3Dモデリングに開示された【銀の福音】の全身像と詳細なデータを元に代表候補生達は相談を始めた。


「広域殲滅を目的とした特殊射撃型……わたくしのISと同じく、オールレンジ攻撃を行える様ですわね」

「……だがセシリア、こいつにはビットみたいな物は無さそうだが…」


俺はそう言い、【銀の福音】の3Dモデリングに触れ、全身をくまなく見るが特にそれといった物はなかった。


「……多分ですが、内蔵型なのかもしれません」

「……なるほど、詳細なデータとは言っても機密レベルが高いからこの辺りは色々情報制限されてるのか……それとも、ここまでしか開示されていないかのどちらかだな」



そう呟き、次はスペック表を見る――。


「攻撃と機動の両方を特化した機体ね。厄介だわ。しかも、スペック上ではあたしの甲龍を上回ってるから、向こうの方が有利……」


そう言って自分の端末に入れてある甲龍と銀の福音のスペックデータを見比べる鈴音。


「単体で挑むなら確かに軍用機のが強いな。おまけに向こうはリミッターが無いし……。だが鈴音、足りないスペックは俺達皆でカバーすればいい。だろ?」

「……ふふっ。まさかアンタに教えてもらうなんてね。――そうね、緊急事態だもん。一対一の勝負って訳じゃないもんね」


そんな感じでニッと笑顔で応えた鈴音。


「……この特殊武装が曲者って感じはするね。ちょうど本国からリヴァイヴ用の防御パッケージが来てるけど、連続しての防御は難しい気がするよ」


そう腕を組み、指で自身の顎に触れるシャル。


「連続しての防御が難しいなら、避けきれない射撃だけに防御すれば長くもつ――シャルならそれだけの技術はあるんだ、自信持ちなよ」

「ヒルト……。――うん、そうだね」



事実、この場に居る代表候補生も専用機持ちも俺なんかより遥かに厳しい訓練を受けて技術はあるんだ。

――だが、それでも俺達は子供みたいなものだ、多分皆が心の奥に不安を抱えてるだろう――この緊急事態に。


「……このデータでは格闘性能が未知数だ。持っているスキルもわからん。偵察は行えないのですか?」


そう言ったのはラウラだ。

確かに偵察が出来
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