旧校舎のディアボロス
第13話
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もし、彼女にもっと早く友達ができていればこんなことにならなかった?
もし、俺がもっと早くにアーシアに会っていたらこんなことにはならなかった?
そんなもし、が頭を駆け巡る。
「どうして。どうしてだよ!なあ、神様!どうして、この子が死なないと行けないんだ!
なんでこんなにやさしい子が死なないといけないんだ!
分け隔てなく癒やしてくれるこの子が死なないといけないんだ!」
俺は叫んだ。もう遅いとわかっていても叫ばずにはいられなかった。
「この子は何もしていない!ただ友達が欲しかっただけだ!なのになんでだよ!神様!!」
天に向かって叫んでも何も帰ってこない。
「俺が悪魔だから、悪魔だった俺が友達になったのがいけないんですか!」
悔しい。俺には力がない。
アーシアを助けるだけの力がなかった。
夕方、アーシアを攫われたのも、今、アーシアを助けれなかったのも俺に力がなかったから。
だが、そんな後悔をしてもアーシアはもう微笑んでくれない。
「悪魔が教会で懺悔かしら?」
後ろから声が聞こえた。振り返ると俺を嘲笑っている堕天使が居た。
「たちの悪い冗談ね。笑えもしないわ」
そうぼやくと堕天使は腕を見せる。
「この傷、下で魔法使いのガキにやられたのよ」
その腕には切り傷があった。言葉からすると朔夜が付けた傷のようだ。
なら、朔夜は?木場や小猫ちゃんはどうなった?
「見なさい。素敵でしょう?どんな傷でも治せる力。神の加護を失った私たち堕天使には素晴らしい神器よ!」
それは、アーシアの神器だ。優しいアーシアの力だ。
お前が使っていいような力じゃないんだ!!
「それを返せぇぇぇ!!」
「『Dragon Booster!!』」
左腕の籠手が光を放ち、宝玉には紋章が現れた。
同時に力が湧きあがった。その力にゆだねて全力で殴りかかった。
だが堕天使に躱されてしまう。
「無駄よ。『戦車』になったようだけど、当たらなければその力を発揮できない」
「うぉぉぉおお!!!」
「『Boost!!』」
更に殴りかかるが躱される。
「それに、あなたごときが『戦車』になって。そして神器の力で倍にしたところでたかが知れてるわ」
堕天使は二本の光の槍を両手にだし、投げつける。
そしてそれは俺の両太ももに刺さった。
体中に激痛が走る。その槍を抜こうとつかむが手のひらが焦げるように熱くなる。
「アハハ、悪魔が光の槍をつかむなんて愚の骨頂。焼かれるだけよ」
意識が飛びそうになった。
「イッセー!」
そこに相棒の呼びかけが聞こえた。
◇◆◇
俺―望月朔夜―はイッセーを逃がした後、堕天使を相手にしている。
「あら、誰かと思えば、イッセーくんのお友達じゃない」
「
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