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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第134話】
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織斑先生は山田先生の方へと振り向き、近付いていった。
この慌てよう――尋常じゃないな、一体どうしたんだろう。
「どうした?」
「こ、こっ、これをっ!」
慌てながら小型端末を渡す山田先生。
それを受け取り、画面を見るとその表情が曇り始める。
「特命任務レベルA、現時刻より対策をはじめられたし……」
「そ、それが、その、ハワイ沖で試験稼働をしていた――」
「しっ。機密事項を口にするな。生徒たちに聞こえる」
――事実、俺には聞こえていた。
ハワイ沖で試験稼働――ここまで聞こえて、織斑先生が山田先生を黙らせたから状況が今一わからないが、緊急を要する内容だというのは理解出来た。
流石にまずいと思ったのか、山田先生はその場で頭を下げて謝った。
「す、すみませんっ……」
「専用機持ちと代表候補生は?」
「よ、四組の更識簪さんが欠席していますが、それ以外は」
……そういえば、彼女見かけなかったな。
――何か参加できない理由でもあったのだろうか?
――と、俺や一夏、他数人の生徒の視線に気がついたのか、会話ではなく手話にゃるやり取りを始めた――と。
「……どうやらトンでもない事が起きたようだな」
「……親父?わかるのか?」
「あぁ、全てがわかる訳じゃないがな。あれは軍関係の手話――それをもう少し複雑化したものだ。内容は言えないが……」
いつもふざけたようにしている親父の表情が真剣そのものだった――。
正直、こんな親父を見るのは初めてだった。
「そ、そ、それでは、私は他の先生たちにも連絡してきますのでっ」
「了解した。――全員、注目!」
山田先生が走り去った後、直ぐ様手を叩いて生徒全員を振り向かせる。
「現時刻より、IS学園教員は特殊任務行動へと移る。今日のテスト稼働は中止。各班、ISを片付けて旅館に戻れ。連絡があるまで各自室内待機すること。以上だ!」
「え……?」
「ちゅ、中止?何で?特殊任務行動って……」
「状況が全然わかんないんだけど……」
不測の事態に慣れてない一年生女子一同が、ざわざわと騒ぎ始める。
無理もない、いきなり特殊任務行動と言われてざわつかない方が無理ってものだ。
……俺が今落ち着いているのは、五月の無人機、六月のラウラのIS暴走の経験があるからだろう。
――と、いつまでも騒ぐ女子一同を、織斑先生が一喝した。
「とっとと戻れ!以後、許可なく室外に出た者は我々で身柄を拘束する!いいな!!」
「「「はっ、はいっ!」」」
その織斑先生の怒号で、全員がビクッと反応し、慌てて動き始める。
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