歌い手、説明を受ける
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ままものすごい速さで駆けて行った。
とりあえず、話してほしいという意図をこめて久遠さんの腕をタップする。
「あ、ごめんなさい。あのままだと黒ウサギに知られてしまいそうだったから」
「それが目的だったんだけど・・・いいのかな?」
「大丈夫よ。なんとなくだけど、彼は殺されても死にそうにないもの」
「わかるけど、その言い方はどうなんだろう・・・」
まあ、もう手遅れだしどうしようもないか。後で黒ウサギさんに謝ろう。
♪♪♪
「ジン坊ちゃーン!新しい方を連れてきましたよー!」
黒ウサギさんは石造りの階段に座っている少年を見つけるとそう声をかけた。
あれがコミュニティとやらのメンバーなのかな?結構幼い子に見えるけど・・・
「お帰り、黒ウサギ。そちらの御三方が?」
「はいな、こちらの方々が・・・あれ?三人?」
黒ウサギさんはクルリと振り返り、数を数えるとカチンと固まった。
「・・・あれ?もう一人いませんでした?こう目つきも口も悪くて、全身から問題児オーラを放っている殿方が」
「十六夜君なら、“ちょっと世界の果てを見に行ってくる”と言ってあっちのほうに駆けて行ったわ」
「な、なんで止めてくれなかったのですか!」
「“止めてくれるなよ”と言われたもの」
「ならどうして黒ウサギに教えてくれなかったのですか!?」
「“黒ウサギには言うなよ”と言われたから」
「嘘だ!久遠さんは当たり前のように送り出したし、春日部さんは無関心だったよね!?」
何故そこで黒ウサギさんを弄り始めるんだ・・・
「奏さんも、知っていたなら教えてください!」
「ゴメン・・・久遠さんに止められた。後、僕が言えた事じゃないかもだけど・・・追いかけたほうがよくないかな?逆廻君が向かったほうからは初めて聞く鳴き声とか聞こえるし・・・」
「そうでした!世界の果て付近にはゲームのために放し飼いにされた幻獣がいます!このままでは十六夜さんが幻獣のギフトゲームに!」
「幻獣?」
あ、春日部さんの目が輝いてる。動物が好きなのかな?
「は、はい。ギフトを持った獣を指す言葉なのですが・・・今はそれを説明している時間がありません!申し訳ありませんが、ジン坊ちゃん。黒ウサギは十六夜さんを連れてきますので、皆さんの案内をお願いしてもよろしいでしょうか?」
「分かった。よろしくね、黒ウサギ」
「YES!箱庭の貴族と謳われるウサギを馬鹿にしたこと、骨の髄まで後悔させてやります!」
黒ウサギさんは髪の色を淡い緋色にして先ほど久遠さんが指した方向へと跳んでいった。
感情に髪の色は左右されるのかな?今も怒ってたみたいだし。
「ええと・・・簡単に自己紹介をさせてもらってもいいでしょうか?」
「う
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