十五日目 十二月五日(月)
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も放てる。人の思いが魔力変換される今回の聖杯戦争においては、魔力消費を誘う作戦も使えない。どう考えても、バーサーカーは頭一つ抜きん出ているわ。出る杭は打たれる。その言葉通りに、バーサーカーを倒す為の同盟を提案したいの」
「応じよう。〈狂化〉に飲み込まれた今のアーサーを救うには、倒すしか術はない」
「この前、助けてもらった借りがあるしな、俺も異論はないぜ」
「あの娘は、余が正してやらねばならんのだ。王としてな。その提案、乗らせてもらう」
制服姿の四人のサーヴァントが、互いの顔を見合い、頷き合う。言葉は少なくとも、思いは一つといった感じだ。四人のマスターは皆、生死に関わる争いには素人。ただ、己がサーヴァントを信ずるのみ。マスターも同意し、ここに、セイバー、ランサー、キャスター、ライダーによる対バーサーカーの同盟が締結された。
「ところでセイバー、具体的な策はあるのか? 聖剣を打たれては負け、ではちと心許ないぞ」
セイバーが、何だか少し複雑な顔をする。
「……はぁ、どうせ黙っていても、解っちゃうでしょうしね。いいわ、ライダー。あなたにも教えます。あたしには、飛行能力と炎の加護があるの」
ほぅ、っとライダーが眼を細めた。
「……なるほどな。そういう訳か。だが、炎の加護があるとて、聖剣を防ぎきれる訳ではあるまい? 今回のバーサーカーのエクスカリバーは、確かに炎の属性となっているようだが、加護程度では防げまい」
「それは解っているわ。もって一分というところね。でも一瞬では無いわ。それだけの時があれば、あなた方なら敵を倒すのに充分ではないかしら?」
ライダーが、豪快に笑う。
「言ってくれるな、セイバー。そこまで言われては、余も最強宝具を使わねばなるまい」
セイバーとランサーが、顔をはっとさせる。
「ライダー、あなたまだ宝具があるの?」
「おうともよ。お主が真名を明かしたも同然の情報への、礼よ。余にもまだ、皆には見せていない宝具がある。その宝具を、対バーサーカー戦では惜しみなく使う事を約束しようぞ」
にかぁっと猛々しく笑みを浮かべたライダーが、右手をグーの形にし、親指だけ下に向けて立てて、セーバーの前に突き出した
「……なによそれ」
「グーサインというやつだと聞いた」
「親指は上!」
一斉に皆が同じフレーズを言った。小気味良いハーモ二―が、澄んだ空に響き渡った。
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