十五日目 十二月五日(月)
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て、純一は、ぞっとした。彼女の表情には、ありありとした憎悪が漲っていたのだ。
あの後、感情をあらわにしたのを気まずく思ってか、絢辻は無言で立ち去って行った。屋上にただ一人残された橘純一の心は、かき乱されていた。
(絢辻さん、何であんな事を……)
「あら、修羅場だったかしら」
「わぉ、橘君、大人ねぇ。これが修羅場ってやつなのね」
「……塚原先輩に森島先輩、一応お聞きしますが、いつから居たんですか?」
「さっき来たところよ。ね? はるか」
「ええ、そうよ。私達、何にも見てないわよ〜。修羅場とか」
にこやかな笑顔を浮かべる先輩二人。明らかに最初から居た事を物語っている微笑みだった。
「にぃにったら、どんな悪い事したの!?」
「……美也、意味が解らん」
「だって、にぃにが、あの優しくて素敵な絢辻先輩と仲良くしてるんだよ!? どんな悪い手を使ったの? にぃに、これ以上はやめて! 犯罪者になっちゃうよっ!」
先輩二人の後ろから、美也が飛び出て来る。慌てている様子で、かなり早口だ。
「……お前は、俺を何だと」
「ちょっと。余計な話は終わりにして」
純一が美也につっかかろうとした時、制服姿のセイバーが現れた。しかめっ面をしており、機嫌は良くなさそうだ。
「マスターが揃ったって事は、皆居るのかしら?」
純一ら四人を見渡すセイバー。
「ああ、もちろんだ」
「よぉ、大将、元気そうで何よりだぜ」
「まさか、バーサーカーの正体が、騎士王とはな。まったく、今回も胸糞が悪い事が続きおる」
屋上に、ランサーとライダー、それにキャスターがこの場に相応しい格好で現れた。
「……何で、皆制服着てるんですか?」
現れたサーヴァント三人は、皆制服姿だったのだ。ランサーは美男子だけあって、身体に合った制服が良く似合っている。ライダーはどこから調達したのか、五Lサイズくらいの巨大な制服を身に付け、如何にも番長といった風情だ。キャスターは、まんま背が伸びた梅原だった。
「それはね、純一君。私のお兄ちゃんと弟の制服を貸してあげたのよ。ランちゃんとライちゃんにね。もう、ぴったりで、わぉ、ミラクルって思っちゃった」
「キャスターのは、監査役の二人にお願いしたわ」
(森島先輩……。あの二人とぴったりって、いったいどんなご兄弟なんですか……)
「こほん。話を始めるけど、いいわよね」
雑談がやみ、皆がセイバーを見た。
「さて、今回皆に集まってもらったのは、バーサーカーに対する共同戦線を提案するためよ。バーサーカーの正体は、あの伝説のアーサー王だった。名が世に知られている程に強力なステータスを得れる聖杯戦争に置いて、あまりに有名なアーサー王の能力は最高クラス。おまけに身体能力がバーサーカーのスキル〈狂化〉で向上していて、伝説のエクスカリバー
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