暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリア 一般高校での戦い
第4話 昼休み
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

「なるほどな……でも、かなめはどこに住むんだ?」
「え? 何言ってるのお兄ちゃん? あたしもお爺ちゃんの家に住むに決まってるじゃん。――家族だもん」
「……ですよね……」
 なんとなくだけど分かってたよ。
 その言葉を聞いて、今後の事を考えて俺は肩を落とす。
 ただでさえレキがいるのに、かなめまで一緒に住むとなるとホントにどうなるんだろう。
「ほら、お兄ちゃん。元気出して。それに早く食べないと昼休み終わっちゃうよ。――はい、あーん」
「ん、ああ……あーん――――って、なにちゃっかり食べさせようとしてるんだよ!」
「ちっ!」
 俺が気づいた瞬間、舌打ちを器用に可愛らしくするかなめ。これは確実に狙ってきてたな。
 ……危なかった。あまりに自然だったから、思わず食べる所だった。
 俺が油断している隙を的確についてきやがって……ホント、油断のできない妹だな。
「昼飯は自分で食べる。だから(はし)を……」
「箸なんか無いよ。あたし上手く使えないし」
「だからかなめが使えなくても、俺の箸が……」
「……ごめんねお兄ちゃん。お兄ちゃんの箸、忘れてきちゃったみたい。――だから、あたしのフォークが一本だけあるから、一緒に使って食べよ?」
 なん……だと……
「どうしたの、お兄ちゃん? 昼休みはあとちょっとだよ。早く食べよ?」
(――クソ、やられた!)
 真面目に話してご飯を食べさせないで時間を減らし。
 フォークを一本しか持ってこないで、弁当の中身はタレであえたモノなどの手で食べるには躊躇(ためら)うものばかり。
 しかも、他の生徒が食べ終わって、自分たちの話しに夢中になり始めて、俺とかなめの事を気にかけなくなる時間帯。これで周りの視線がどうだのという理由での打開(だかい)方法が取り()くくなった。
 これは完全に()められた。
 さっきのセリフの『フォークが一本』の『一本』を強調してきたことを考えると――今までのこれらすべてが、かなめの作戦だったのだ。
「食べないの、お兄ちゃん?」
 ……どうする。流石(さすが)に購買まで箸を取りに行ってたら昼休みが終わる。……っていうかそれ以前に箸だけをくれるか分からん。
(かなめからフォークを奪うか……?)
 いや、ヒステリアモードでも無い俺にかなめからフォークを奪える可能性は、かなり低いだろう。
 それに下手すりゃ、女子を――しかも妹を襲ったと勘違いされて、退学ならまだしも警察に逮捕されかねん。
 ……結論は……
(……つ、()んでやがる……!)
 そう、将棋に例えるならもう『王手(おうて)』なのだ。
 手で俺が食べようにもかなめが何か実行してくるだろう。
 口で説得しようにも人工天才(ジニオン)に勝てるはずもない。
 他にも食べないなど言ったり、
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ