第4話 昼休み
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ず緊張して待つ。
もしかしたら、何らかの依頼かもしれないからな。
そしてかなめの可愛らしい口が開き――
「大好きなお兄ちゃんが転校するから、あたしもついてきちゃったんだよ」
「…………は?」
なんの依頼を受けたのかと待っていたのだが……あまりに信じられない言葉が出てきて、一瞬耳を疑った。
いや、もしかしたら他の意味があるのかもしれない。
「えっと……どういう意味だ?」
「いやだから、そのままの意味だよ、お兄ちゃん。――お兄ちゃんのいない武偵高にいる意味なんか無いし、一緒に転校してきたんだよ」
こいつ……マジで俺が転校するからってついてきたのか……まったくレキといい、なんで俺について…………ん?
「おい、かなめ。なんでお前、俺が転校するって分かったんだ?」
俺とレキは武偵高では、教務科から長期の特秘任務を受けた事になっているはずだ。
まさか教務科の奴らがそんな簡単に情報漏洩するとは思えない。……それなのに、かなめはいったいどうやって……
「あ、それはね。あたしが武偵高に入る時に出した条件に『遠山キンジが長期クエストなどに行く際は、遠山かなめを同行をさせる』っていうモノを創ってたんだよ」
「な、なんでそんな条件を……!」
「だってあの時のあたしはお兄ちゃんから離れたくなかったし……長期クエストを受けて逃げられても困ったからね」
な、なるほど……確かにあの時のかなめは、俺からどんな事をしても離れない覚悟だったんだろう。
「武偵憲章2条『依頼人との契約は絶対守れ』――まあ、あたしは依頼人じゃないけど……まさか武偵を育てる武偵高の教師が、契約を守らないわけにはいかないしね」
まあ、条件や約束も両人の了解を得た時点で、言うならば契約だしな。
「しかし……あの教務科がよくそんな条件を了解したな。どうやって了解させたんだ?」
もう関係ないとはいえ、あの綴や蘭豹なんかを納得される術は、個人的に興味がある。
「え……普通にコネだよ。あとは――『遠山の妹なら実力は十分だな』とか、『あいつは危険なヤマが多くて女グセも悪いから、せめて女に殺されないくらいには妹のお前が面倒見てやれ』とかも言われたよ」
「……そうですか」
……ひどい言われようだ。――『武偵は自立せよ』じゃなかったのか。なんでかなめにそんな理由で許可してるんだよ。
さらにいえば、どちらかといえばあんたらが面倒見てやれと言った奴に、数日後、殺されかけたんだけどな。
「でもまあ、そのおかげでお兄ちゃんが転校するって分かって……それから『君も転校するかい?』なんて校長に聞かれたから『はい』って答えて、この学校に転校してきたんだよ
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