第三十四話 運命と伝説
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からな」
《ですがザフトの戦力が多く集まっていると言う事は逆に言えばそれだけ攻撃時にも戦力を割けると言う事です。油断なさらないでください》
「わかっておる。しかし、ジブリールも言っていたようにこのヘブンズベースには我々の切り札がある。大した問題にはならんよ」
彼が消極案を提案したのは情報の提供者がザフトの戦力が既にこちらが攻めるにはリスクが高いと報告してきたからだった。ロゴスのメンバーは自身の拠点を放棄して脱出してきた以上、失われたものも多い。それはアズラエルにも言える事で、まともな情報網はこの情報提供者位しか残されていない。とはいえ、彼(彼女かもしれないが)は最も信頼できる情報提供者であった為、彼は信用しているのだが。
だからこそ、アズラエルは迂闊だと言えよう。ジブラルタル基地にこそ戦力は集結しつつあるが、その他の場所は逆に手薄になっている場所も存在しているのだ。虚偽の情報に騙され、その手で踊らされている事も知らずにいる。それに気付く事も無く振り回されているアズラエルは最早、道化としか言えなかった。
◇
ジブラルタルに到着し、連合の義勇軍とザフトが手を取り合う姿を見ながらミネルバやラー・カイラムのクルーは騒然とする。
「付近の全部隊に集結命令が出ているのは聞いていましたが、いやぁー、壮観ですねぇー!」
アーサーが喜ばしい限りだとばかりに喜色満面で声を上げる。それを鬱陶しいといった感じに見ているマーレはナチュラルがいる所での普段通りの態度―――つまり、不機嫌さを隠しもせず、口を開く。
「愚盲というか……考え無しと言うか、大義名分が無いと自分で戦う事も決めれないのかね?」
「『剣を取らせるには何よりその大儀が重要である』―――指揮官講習の教官の言葉だけど、全くその通りだと思うわ。貴方だって、討つべき敵とその理由が納得できなければ討てないでしょ?」
「……まあ、確かにそうだが―――」
「彼等は自分の意思で考えて、その上で私達に協力をしてくれると言ってくれたのよ。感謝こそすれど、批判されるいわれは無いと思うわ」
グラディス艦長に遠回しに窘められるマーレは口篭る。
「ですが、正義の名の下にそうやって敵を討つ事は、過去何度も見たそれと変わらないのではないでしょうか?」
アスランが艦橋にやってきてそう意見を言う。以前よりは多少調子を戻していたが、彼の調子は余りいいとは言えないだろう。
「アスラン、お前いけるのか?」
「ああ、まあ良いとは言い難いけどな。でも実際、いつまでも塞ぎ込んでる訳には行かないしな」
マーレが心配したぞと皮肉気に笑いかけ、アスランもそれに苦笑して答える。
『アスラン・ザラ、シン・アスカ、ハイネ・ヴェステンフルス、レイ・ザ・バレ
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